ウェルル祭壇画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 05:06 UTC 版)
『ウェルル祭壇画』(ウェルルさいだんが(西: Tríptico de Werle))は、初期フランドル派の画家ロベルト・カンピンが描いたと考えられている三連祭壇画。1438年にケルンで完成を見たが、現存しているのは左右のパネルのみで中央パネルは残っていない。この作品は、長い間「フレマールの画家」という通称で呼ばれている画家の作品であるとされてきた。現在の学説では「フレマールの画家」の正体はロベルト・カンピンであるという説が最有力となっているが、この説に異論を唱える研究者もおり、必ずしも定説となっているわけではない。さらに、この『ウェルル祭壇画』も、カンピンあるいは「フレマールの画家」の模倣者や工房が描いた複製画ではないかと考える美術史家もいる[1]。
- ^ プラド美術館。
- ^ a b c d Borchert, p.170
- ^ 当時のフランドル絵画では、聖母はゆったりとしたマントやローブと宝冠を身に着けた姿で描かれ、その周囲には聖女たちが配されることが多かった (See: Chomer, Gilles. "The 'Virgo inter Virgines' of Abraham Janssens". The Burlington Magazine,Volume 121, No. 917, August 1979. p.511)
- ^ Stephan, Kemerdick; Sanders, Jochen. "The Master of Flémalle and Rogier van der Weyden". Stadel Museum, Frankfurt, 2009.
- ^ Jakoby, Barbara. "Der Einflufi niederldndischer Tafelmalerei des 15.Jahrhunderts auf die Kunst der benachbarten Rheinlande am Beispiel des Verkundigungsdarstellunq in Koln, am Niederrhein und in Westfalen (1440-1490). Cologne, 1987.
- ^ a b Borchert, p.145
- ^ a b Walther, Ingo. "Masterpieces of Western Art (From Gothic to Neoclassicism: Part 1". Taschen GmbH, 2002. p.126. ISBN 3-8228-1825-9
- ^ a b Murray, Peter; Murray, Linda. "The Art of the Renaissance". New York: Praeger, 1963. pp.71 - 72
- ^ a b c Borchert, p.171
- ^ 中央パネルに何が、誰が描かれていたのかは伝わっていない。
- ^ a b Trio; De Smet, p.75
- ^ Blum, 10
- ^ Blum, 11
- ^ Freeland, Cynthia. "Portraits and persons: a philosophical inquiry". Oxford: OUP Oxford, 2010. 79. ISBN 0-1992-3498-1
- 1 ウェルル祭壇画とは
- 2 ウェルル祭壇画の概要
- 3 ギャラリー
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