アリストン_(スパルタ王)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アリストン_(スパルタ王)の意味・解説 

アリストン (スパルタ王)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/19 06:12 UTC 版)

アリストン(希:Ἀρίστων、ラテン文字転記:Ariston、? - 紀元前515年、在位:紀元前550年 - 紀元前515年)はエウリュポン朝のスパルタ王である。

アリストンは先王アガシクレスの子で、アギス朝の王アナクサンドリデスと同時代の人である。

前々からスパルタはテゲアと戦争を続けていたが、アリストンとその共同統治者アナクサンドリデス2世の代になってからテゲアに対して優位に立つことができた[1]

アリストンは二度結婚したが子は生まれなかった。二人目の妻の時、彼は友人のアゲトスの美人で有名な妻を得たいと思った。そこで彼はアゲトスに自分の持ち物で何でも望みのものを一つ与えるから、同じように自分にも望みのものを一つくれと提案した。アリストンには妻がいたのでまさか自分の妻を要求するとは思ってもいなかったアゲトスは承諾し、契約を交わした。アリストンはアゲトスに彼の欲するものを与えた後、アゲトスに彼の妻を要求した。アゲトスは拒んだが、契約をした手前拒みきれずに妻を奪われた[2]。こうしてアリストンは二人目の妻を離縁して、アゲトスの妻を娶った。その間に生まれたのが次の王となるデマラトスである。ヘロドトスによれば、デマラトスの名前にはこのような由来がある[3]。デマラトスが生まれる前、名望に優れたアリストンのために国民が彼に子ができるようにと祈願し、そこからアリストンの子はデーモス(国民、国家)とアラー(祈願)の合成でデマラトスと名づけられたという。

しかし、月数を数えたアリストンは初めはデマラトスをわが子とは認めなかった[4]。後にアリストンが意見を翻したこともあり、その時は誰もその事を気には留めずに話自体は流れたが、これは後のデマラトス廃位の根拠となった[5]

  1. ^ ヘロドトス, I. 67
  2. ^ ibid, VI. 61-62
  3. ^ ibid, VI. 63
  4. ^ パウサニアス, III. 4. 4; III. 7. 7
  5. ^ ヘロドトス, VI. 64

参考文献


先代:
アガシクレス
スパルタ王(エウリュポン朝)
紀元前550年 - 紀元前515年
次代:
デマラトス



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アリストン_(スパルタ王)」の関連用語

アリストン_(スパルタ王)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アリストン_(スパルタ王)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアリストン (スパルタ王) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS