杢目鍛鐔

刀剣用語解説集

杢目鍛鐔（もくめぎたえ）

鉄を折返し鍛錬して造る鐔の表面には、刀身に見られる肌目のような鉄の鍛え肌が現われる。さらにこの表面を腐蝕させることにより、木の切口の杢目や板目状の鍛え肌を際立たせた表現技法がこれであり、杢目そのものが鐔の装飾模様の主体とされるもので、高彫や毛彫などの彫刻を施さないのが一般的である。江戸時代後期の明珍派等の甲冑師或いは刀匠が多く試みており、紀州算経のようにこれを専らにしている鐔工もいる。