MPEG-4 MPEG-4 動画(第2部)

MPEG-4

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 05:44 UTC 版)

MPEG-4 動画(第2部)

MPEG-1ではビデオCDMPEG-2では放送やHDTVでの使用を想定しているのに対して、MPEG-4では低ビットレートでの使用にまで用途を拡大することを目標として規格化が開始された。符号化技術としては先に規格化が進んでいたH.263を基に幾つかのツールを追加した構成になっている。H.263との相違点は、フレーム間予測におけるBフレームの採用、DCT係数のAC/DC予測の導入、などが挙げられる。

このビジュアル技術自体も、エラー耐性技術のほか、任意形状技術やスプライト符号化技術、顔画像の動きを符号化するフェース(Face)符号化技術、スケーラビリティ技術などを盛り込んだ巨大なものであったが、現在ではエラー耐性技術のほかは殆ど使用されていない。

圧縮アルゴリズムの基本原理は、MPEG-1MPEG-2H.263などと基本的には同様であり、空間変換やフレーム間予測量子化エントロピー符号化を採用している。

空間変換

MPEG-4では、空間変換に離散コサイン変換が用いられる。8×8画素のブロックを単位として、原画像もしくはフレーム間予測の予測誤差画像のDCT係数を求め、その係数を量子化している。

フレーム間予測

フレーム間予測において参照フレームとして指定できるフレームは、Iフレーム, Pフレーム、Bフレームが存在する。Pフレームでは時間軸で前方のフレーム1枚の画像を利用して符号化を行うが、Bフレームでは前方・後方2枚の画像を利用して符号化を行う。

1/4画素精度動き補償

動き補償の精度としては1/2画素精度まで基本的に利用可能である。MPEG-4 ASP(Advanced Simple Profile)では、1/4画素精度動き補償も採用している。

AC/DC予測

空間変換で得られたDCT係数に対して、さらに係数の最上列ないし最左列の係数から予測を行って情報量を削減する技術が導入されている。

DC予測とは、隣接した「左MBと左上MBのDC成分の変化量」と「左上MBと上MBのDC成分の変化量」を比較して、より傾きの小さい方向から現在のMBのDC成分を予測する手法である。この方法を用いることによって、相関の高い画素からの予測を行うことが可能であるため、圧縮率の向上が期待できる。

AC予測とは、フレーム間予測を用いずに符号化される画素ブロックについて、単純に離散コサイン変換(DCT)の係数を量子化して符号化するのではなく、DCT係数行列のうち最上列ないし最左行の値について、上ないし左の隣接ブロックの値との差分を符号化することによって符号量を削減する方式である。予測の方向の決定については、DC予測での予測方向に従う。 この予測方式は、後にH.263でもAnnex Iとして採用された。

DC予測は必ず使用しなければならず、AC予測は使用有無をヘッダで切り替えることが可能である。

エントロピー符号化

ハフマン符号をベースとした可変長符号化(VLC; Variable Length Coding)が採用されている。


  1. ^ 情報源符号化部 H.264”. 社団法人 電波産業会 (2006年2月24日). 2014年4月12日閲覧。
  2. ^ 米Generic Mediaインタビュー──Peter Hoddie氏”. www.itmedia.co.jp. 2018年12月29日閲覧。






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