IEEE 1888
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:26 UTC 版)
導入事例
東京大学では、本郷キャンパス、駒場Ⅰキャンパス、駒場Ⅱキャンパス、柏キャンパス、白金キャンパスにIEEE1888のGWをそれぞれ導入し、特別高圧を含む受電設備の計測データを、オンラインでリアルタイムに管理している。電力会社から受電する66kVの他、キャンパス内に張り巡らされた6600Vの電力線が個別に最速1分間隔で計測されている。ビル単位での計測も含めると約400系統の電力線がこのシステムの管理対象になる。上記、5キャンパスの電力需要の合計は、5万キロワットを超える(夏場)。
東京大学の電力見える化サービスは、キャンパス毎の電力消費量を表示しているが、実際には、エリア単位・建物単位での電力消費量も把握できるようになっている(詳細なデータは学外には公開されていない)。
開発環境
IEEE1888のソフトウェア開発キット(SDK)、実装参照ソースコード、プロトコルテスター が、東大グリーンICTプロジェクトのWebページにて無償で公開されていて、自由にダウンロードすることができる。SDKは、仮想マシン(VMware Player)イメージによって提供されており、インストール方法も詳しく紹介されている。SDKに同梱されているドキュメントには、C#、Java、PHP、C言語によるサンプルプログラムが掲載されており、これらを参照することによって、IEEE1888の通信スタックをどのように実装すればよいかが、事細かにわかるようになっている。
またIEEE1888は、Arduino(+Ethernetシールド)や、mbedプラットフォームのような小型で安価な組込みコンピュータにも実装され、そのライブラリも公開されている[8][9][10]。東京大学で開発された IEEE1888通信ボードは、一般向けに販売されている。
外部リンク
- スマートグリッド対応 IEEE1888プロトコル教科書
- IEEE 1888-2011: Standard for Ubiquitous Green Community Control Network
- スマートグリッド向け新プロトコル「IEEE 1888」の全容と省エネ戦略2011[東大グリーンICTプロジェクトの「IEEE 1888システム」と節電対策の実践]
- デジタルデザインテクノロジ誌 2012年冬 (No.12号)
- 「電力管理に便利なIEEE1888通信規格」の相互接続実験を実施
- IEEE1888を20分で理解する
- ^ 東大グリーンICTプロジェクト ホームページ
- ^ Z-wave Alliance ホームページ
- ^ ECHONET コンソーシアム
- ^ ISO/IEC/IEEE 18880
- ^ Lonworks: local operating networks for building automations
- ^ BACnet: a data communication protocol for building automation and control networks
- ^ Modbus ホームページ
- ^ 落合秀也,"IEEE 1888対応スマート・タップの設計"、デジタルデザインテクノロジ誌,CQ出版社,vol.12, pp.116-127, 2012年.
- ^ 落合秀也,井上博之,"ネットワーク温度&照度計 後編 Ethernetシールド付きArduinoにアップロードのためのライブラリを搭載",トランジスタ技術,CQ出版社,vol.49, no.2,pp.189--195, 2012年2月.
- ^ IEEE1888(FIAP)をmbedで使う
- IEEE 1888のページへのリンク