Doom 64
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 03:19 UTC 版)
開発
本作はミッドウェイゲームズが同社のサンディエゴスタジオで開発したものであり、Doomフランチャイズの主要デベロッパーのid Softwareのもと[4]、1994年後半から開発が始まった[5]。当初は「The Absolution」という作品名になる予定だったが、DOOMシリーズであることをわかりやすくするために『Doom 64』へと変更し、「The Absolution」はゲームの最終ステージの名称として再利用された。ミッドウェイはオリジナルゲームに登場する全てのデーモンと、いくつかの追加ステージをゲームの完成版に入れたかったが、スケジュールの都合とN64のカートリッジの容量が小さいことによるメモリの制約があり、ステージやデーモンを除外した。ミッドウェイは任天堂がマルチプレイ向けのプログラミングに必要なリソースを提供していなかったため、マルチプレイモードは収録されないと語った。デベロッパーはゲーム機での他のゲームの画面分割マルチプレイ中の速度低下が疑われていることと、モードの競争性に基づきこの決定を正当化した。ミッドウェイの担当者は「マルチプレイの醍醐味は対戦相手がどこにいるのかわからないことだと誰もが知っている」とし、4人プレイヤーでの画面分割プレイでは相手がどこにいるのか丸見えであると話している[6]。
環境は3次元ポリゴンモデルから構築され、敵はSGIワークステーションでスプライトをプリレンダリングして作成された[7]。本作を初出とするナイトメアインプ[2]は、もともとPlayStation版『Doom』に登場する予定であり、ほぼ完全なベータ版にも登場したが[8]、何らかの理由で発売直前になって削除された。
本作は北米でローンチタイトルとしての発売が予定されていたが、締め切り間近になってid Softwareがステージデザインの多くに不満を表したことで、ミッドウェイは1997年4月まで発売を延期し、その間にステージの再デザインに取り組んだ[9]。当時、任天堂がNintendo 64版『Cruis'n USA』から動物を轢く要素を削除することを決定したため、本作も検閲される可能性が懸念されたが、ミッドウェイのソフトウェア担当副社長のマイク・アボットは、『Cruis'n USA』は一般からファミリー向けのゲームと認知されているのに対し、Doomシリーズは成熟したゲーマーを対象にしたものであり、任天堂は暴力的な内容はあまり懸念していないと指摘した[7]。
音楽と効果音はPlayStation版『Doom』のオリジナル効果音と音楽を手掛けたオーブリー・ホッジスが作曲した。オリジナルの開発チームは最初のゲームが発売されて間もなく2プレイヤーデスマッチ専用に設計された潜在的な続編『Doom Absolution』に取り組んでいたが、破棄することを決定した[要出典]。id SoftwareがDoom 64での仕事に感銘を受けたため、この時期に『Quake』のNintendo 64版を担当することになり[10]、忙しさのあまり他のプロジェクトに手が回らなくなったからだと思われる。
ミッドウェイ・ホームエンターテインメントは1997年4月4日に発売するDoom 64を3月29日に出荷した[11]。
注釈
出典
- ^ a b Mr.Katoh (2020年3月30日). “BFG9000ニュウシュ! ヤッタゼ! 『DOOM 64』リメイク版とN64版の違いをプレイして検証した【特集】”. Game*Spark. 2020年6月24日閲覧。
- ^ a b “Doom 64: Doom Never Looked so Doomed Good”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (92): 95. (March 1997).
- ^ “Doom 64: Nothing Can Save You!”. GamePro (IDG) (102): 44. (March 1997).
- ^ IGN staff (1996年11月11日). “Doom 64 News”. IGN. 2014年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月8日閲覧。
- ^ “Williams Makes Jaguar, Ultra 64 Plans”. GamePro (IDG) (76): 210. (January 1995).
- ^ IGN staff (1996年12月29日). “Doom 64 Gets the Multiplayer Axe”. IGN. 2014年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月8日閲覧。
- ^ a b “NG Alphas: Doom 64”. Next Generation (Imagine Media) (26): 81–82. (February 1997).
- ^ “Doom: The Ultimate Version of the Greatest Gore Blast Ever!”. Maximum: The Video Game Magazine (Emap International Limited) (2): 56–60. (November 1995).
- ^ “In the Studio”. Next Generation (Imagine Media) (20): 17. (August 1996).
- ^ “In the Studio”. Next Generation (Imagine Media) (28): 19. (April 1997). "Impressed by Nintendo 64's conversion of Doom, id Software immediately granted the Quake conversion rights to Midway, even requesting that the same Doom team be responsible."
- ^ IGN Staff (28 March 1997). "Midway Ships Doom Tomorrow". IGN.
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引数が必須です。 (説明) - ^ a b c d e “Review Crew: Doom 64”. Electronic Gaming Monthly (Ziff Davis) (94): 54. (May 1997).
- ^ a b c d e Gerstmann, Jeff (1997年4月8日). “Doom 64 Review”. GameSpot. 2018年7月25日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Schneider, Peer (1997年1月28日). “Doom 64”. IGN. 2018年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月25日閲覧。
- ^ Rairdin, John (2020年3月24日). “Doom 64 (Switch) Review”. Nintendo World Report. 2020年4月9日閲覧。
- ^ Reseigh-Lincoln, Dom (2020年3月20日). “Doom 64 Review (Switch eShop)”. Nintendo Life. 2020年4月9日閲覧。
- ^ a b c d e “Finals: Doom 64”. Next Generation (Imagine Media) (29): 142. (May 1997).
- ^ TD3.com (2016年3月19日). “Doom 64 - im Klassik-Import-Test (N64) – MANIAC.de” (ドイツ語). MANIAC.de 2018年11月22日閲覧。
- ^ a b c d e f Major Mike (April 1997). “Nintendo 64 ProReview: Doom 64”. GamePro (IDG) (103): 74–75.
- ^ Klepek (2016年6月9日). “Doom 64 Is The Most Underrated Doom Game”. Kotaku. 2019年10月13日閲覧。
- ^ a b Wales (2020年3月10日). “Doom 64's upcoming port will add a brand-new post-campaign chapter” (英語). Eurogamer. 2020年3月29日閲覧。
- ^ a b 早苗月 ハンバーグ食べ男 (2020年3月14日). “レトロンバーガーOrder 33:「DOOM 64」「Final DOOM」「SIGIL」が現行ゲーム機に登場で,実に倒しても倒しても「DOOM」だなあ編”. www.4gamer.net. Aetas. 2020年6月24日閲覧。
- ^ “23年ぶりの移植となる『DOOM 64』には新しいステージが追加されている―開発スタッフが明かす”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト. 2021年5月27日閲覧。
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