2600 (雑誌) 2600 (雑誌)の概要

2600 (雑誌)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/30 14:53 UTC 版)

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名前の由来

"2600"という名前の由来は価格ではなく、長距離電話中継線に無料で接続するための「音」の高さ(すなわち単位はヘルツ)である。この2600Hzという数字は1972年にジョン・T・ドレーパーによって発見された。この音はキャプテン・クランチというお菓子におまけとして付いていたプラスチック製の笛から出る音と同じで、彼はこの笛を使いしょっちゅう電話のタダがけをしていたという。この事件を記念して、編集長のエリック・ゴードン・コールリーが自分の雑誌の名前に冠したのが最初である。

概要

1995年からアメリカのニューヨーク、ミドルアイランドに拠点を置くエンタープライズ株式会社が発行している。ウェブ雑誌は季刊だが、紙のブックレットは月刊で、普通の本屋などでも売っている。ちなみに価格は$5.00。ハッカーの情報誌としては老舗であるため、アメリカのハッカーの間では非常に有名で、特にスクリプトキディナードと呼ばれている者の間でよく読まれている。

内容ではコンピュータサーバセキュリティホールや、ウェアーズ(チップしたソフト)、クラッキング、フリーキング(電話のタダがけ)などに関する研究記事が公開されている。ただ、その内容は犯罪をすること自体を勧めているのではなく、そのいかにも"ワルい"雰囲気を楽しむようなものである。しかし、掲載されている情報やテクニックを実際に行うと違法行為となるものもあり、現に犯罪を助長していると言う点も否めない。

他にも、ホホ・コンなどのハッカーミーティング予定なども掲載されている。Webサイトでもたくさんの情報を提供している。

コンファレンス

2600はアメリカ、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、イギリス、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、南アフリカなどの約20ヶ国において、ハッカーの月例会議である「ホープ・コン[1]」を設立した。このミーティングは普段、毎月第一金曜日の午後5時から行われ、ハッカーたちの社交の場であると同時にコンピュータ技術に関する情報交換や議論の場でもあり、ときには地元にあるインターネット企業の就職口を見つけるチャンスにもなるイベントである。また、参加者の中にはハッカーのほかにも、各方面のプログラマーやジャーナリスト、システム・エンジニア、公安機関の捜査官などがいる。2600はその参加者に対して、専門的技術のレベルや年齢を問わず参加を呼びかけている。

ただこのミーティングを端から見ると「不正な情報が高い密度で出回っている」というイメージが大半を占めるので、1992年にはシークレット・サービス、2002年にはFBIの強制捜査をそれぞれ受けている。だが、実際の内容はそんな物騒なものではなく、ハッカーたちがこのような機会を利用して旧友と他愛もない世話話をしたり、くだらない噂話をするだけだったりする。

次回のミーティングは2010年夏にホテル・ペンシルベニアで開かれる。

近況

つい最近、2600はあるDVDのクラッキングコードを掲載したことで訴訟を起こされ、敗訴した。かつて六本木で行われていたホープ・コンの日本版も、今ではほぼ全く見受けられない。


  1. ^ H.O.P.E.Con---Hackers On Planet Earth Conferenceの略。


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