自律訓練法 黙想訓練

自律訓練法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/13 05:12 UTC 版)

黙想訓練

標準訓練の深化

以下の公式で20〜30秒で全ての効果が出るように訓練する。

「気持ちがとても落ち着いている。・・・両腕・両脚が重たくて、温かい(数回反復)。・・・気持ちがとても落ち着いている。・・・心臓が静かに規則正しく打っている。・・・楽に呼吸をしている。・・・お腹が温かい。・・・額が涼しい。」

最初のうちは集中が続かず無意味、逆効果となるので1回の訓練時間は長くて5分程としたが、習熟するに従い伸ばすようにしていく。5分から30分(或いはそれ以上)まで伸ばしも効果を維持出来るように訓練する。 また、雑音や色々な妨害刺激がある日常の生活場面でも、練習がうまく行くように訓練していく。

色彩心像視

この訓練は30分から1時間まで時間を延長しなければならないかもしれない。練習は次の2段階に分けてすすめる。

A -自然色心像視- 2〜8週間にわたって自然に現れる視覚的な色の経験を習得していくと、ある混合色が見えるようになり、その内一定の色がはっきり見えるようになる。それはいわば個人色であり、練習者自身のそれぞれ意味のあるものでありこうでなくてはいけないというような標準色というものは存在しない。
B -特定色心像視- 意図した色(指導者が指定した色)が楽に心像視出来るように訓練するもので、この色はイメージや物体の色ではなく(表面色的ではなく)、主としてスペクトル的な色(平面色的)である。普通、個人色から始めて徐々に変化していって最後には指定された色が自由に見えるようになる。大体2〜3週間掛かるのが普通である。

事物心像視

これは、色彩の視覚心像化よりも困難である。したがって練習時間も40〜60分に延長し忍耐を持って進めないといけない。

A -具体的心像視- はじめ、ある具体的な事物全般について、完全に受動的な態度で待っていると自然にある事物が心像となって現れる。勿論、漠然としていて曖昧であり、出現時間も短いものである。数週間の内にだんだんはっきりと現れるようになり、イメージも消えないようになる。そうなるまで次の段階に進まない。
B -抽象心像視- 「公正」「自由」「幸福」などのような抽象的なものに注意を集中するのであるが、人によってかなり違った経験を報告するものである。例えば映画のような生き生きしたもの、一辺の紙切れのようなもの、非現実的な幻想など様々である。これを2〜6週間続ける。

自己統制のよくできる、判断力のある練習者ではこの段階でカタルシス効果を上げるよう練習を進めることが出来る。

場面・情動経験

広々とした海を眺めている時に経験する気分のような概括的な感情状態に注意集中することからはじめ、過去の体験、願望の世界などを心像視する。多くの場合、映画のようなイメージが現れてくるのであるが、日常の生活場面や過去経験に関係した特定人物は、はっきりと視覚化されにくいのが普通である。

人物心像視

はじめは比較的中性的な人物の視覚化に注意を集中する。はじめはイメージもぼんやりしていて消えやすいが数週間から数ヶ月練習するとだんだんはっきりして消えなくなってくる。さらに、敵意を抱いている人、嫌いな人をも視覚化出来るようになるし、それらの人に対する態度もはっきりしてくる。

自己観照

「自分は何がしたいのか」「自分にはどんな欠点があるか」あるいは「我とは何ぞや」というような形で自分自身に問いかけながら、自然に現れるイメージを見るのである。これは個人差も大きく、経験は様々である。神経症的な人の場合は、コンプレックスと関連した心理・力動的な問題が色々現れてくる。







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