留数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/12 15:38 UTC 版)
定義
解析函数 f(z) に対し z = a が孤立特異点であるとき、 z = a における留数 または が定義でき、
留数定理により次のように定められる。
(z = a が正則点の場合にもこの積分および留数を考えることができるが、コーシーの積分定理により、その場合留数の値は消える)。ただし、i は虚数単位、積分路 γ は点 z = a を中心とする十分小さな円を正の向きに回るものとする(実際には、積分路は、それがガウス平面から切り取る有界領域が z = a 以外に f(z) の特異点を含まなければ、どんな単純閉曲線でも良い)。
無限遠点 ∞ を含めて P1 ≔ C ∪ {∞} 上の函数を考えるときは、無限遠点における留数というものを考えることができる。無限遠点 z = ∞ に孤立特異点を持つ解析函数 f(z) に対し、z = 1/ζ なる変数変換を行えば、g(ζ) := f(1/ζ) は ζ = 0 に孤立特異点を持つ(あるいは正則な)解析函数だが、留数 Resz=∞ f(z)dz は
であることに留意すべきである。
- ^ Whittaker, E. T.; Watson, G. N. (1902). A Course of Modern Analysis. Cambridge University Press. § 7.2
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