暗号 用語

暗号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 06:52 UTC 版)

用語

暗号で用いられる用語。暗号理論も参照。

平文[ひらぶん] (plaintext)
暗号化される前の文。
暗号文 (ciphertext)
平文を、独特の表記法によって第三者が読み解けないようにした通信文。
鍵 (key)
表記法のパラメータ。表記法によっては鍵はないこともある。鍵が異なると平文が同じでも暗号文が異なる。
平文空間
平文全体の集合
暗号文空間
暗号文全体の集合
鍵空間
鍵全体の集合
セキュリティパラメータ (security parameter)
暗号の安全性を表す尺度。鍵のサイズなどを指定する。
暗号化 (encryption; encode, encipher)
表記法に従って平文を暗号文に変換すること。
復号 (decryption; decode, decipher)
表記法に従って暗号文を平文に戻すこと。
攻撃 (attack)
暗号化に用いられた表記法の特定あるいは鍵を探索する行為。または鍵を用いずに暗号文を平文に戻すこと。解読ともいう。暗号の方式によって様々な攻撃法が考案されている。暗号の攻撃法も参照。
暗号解読 (cryptanalysis)
受信者以外の第三者が暗号文を通信文に戻そうとすること。
共通鍵 (common key; symmetric key)
共通鍵暗号において、暗号化にも復号にも用いられる鍵。暗号化側と復号側が同じものを持っている必要があり、鍵を共有する過程で盗聴された場合に通信の秘密はまったく保てなくなる。秘密鍵ということもある。
公開鍵 (public key)
公開鍵暗号において、暗号化に使用する鍵。暗号化鍵とも言う。復号側が持つ秘密鍵と対になった鍵が必要で、復号側はあらかじめ自分の公開鍵を暗号化側に通知しておく(公開する)ことから公開鍵と呼ばれる。
秘密鍵 (private key)
公開鍵暗号において、復号に使用する鍵。復号鍵とも言う。復号側だけがこのデータを持っている(秘密にする)ことから秘密鍵と呼ばれる。(秘密の共通鍵にたいして)私有鍵ということもある。公開鍵から秘密鍵を推測することが非常に困難(事実上不可能)である暗号法を選択する必要がある。
なお、公開鍵暗号においては、公開鍵の代わりに秘密鍵を使って暗号化を施すと、それによって生成された暗号文は、対応する公開鍵によってのみ復号できる。すなわち、ある公開鍵によって暗号文が復号できたことは、当該公開鍵に対応する秘密鍵の持ち主によって暗号文が作成されたことの推定となる。これが電子署名の基本原理となっている。
鍵ペア (key pair)
秘密鍵と、対応する公開鍵とからなるペアの事。同時に生成される。
鍵交換 (key exchange)
共通鍵暗号において、公開鍵暗号方式などを用いて暗号化側と復号側が共通鍵を共有すること。大量のデータをすべて公開鍵暗号で送受信しようとすると計算量が膨大になることから、全文の送受信は比較的簡便な共通鍵暗号で行うこととし、そのための鍵をまず公開鍵暗号方式で共有する、という方法が広く採用されている。
この際、鍵配布センター (KDC) などの信用できる第三者機関を利用する集中型と、各人が秘密の値と通信データを用いて共有の鍵を生成する分散型がある。鍵配送 (key distribution) 、鍵共有 (key agreement) ともいうが、集中型のことを鍵配送、分散型のことを鍵共有として両者を含めて鍵交換とする場合など、区別する書籍もある。
オラクル
入力に対して出力が得られる関数のようなもの。オラクルを必要とするモデルで使用される。
アリスとボブ (Alice and Bob)
暗号理論に登場するプレイヤーはAからアルファベット順に並ぶことが一般的であり、論文では通常Alice、Bobが使われる。これはRSA暗号が発表されたときのプレイヤー名にもとづく。C以降は様々だが、Catherine、Carol、Charlie、などが多い。

注釈

  1. ^ 前述のステガノグラフィーのような、一見すると別の意味がちゃんとあるような情報の中に秘密の情報を忍び込ませる、という方法は、情報理論からの結論として、情報全体に比してごくわずかな情報を埋込むことしかできない。
  2. ^ 過去の例として、太平洋戦争のような戦争ともなれば膨大になった。
  3. ^ 明治期に、「方言札」などに象徴される苛烈な方言弾圧がもし旧薩摩藩領に行われていたら、不可能であっただろう。

出典







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