新幹線200系電車 形式

新幹線200系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/10 16:20 UTC 版)

形式

本系列に属する各形式名とその車種は以下のとおり。

付随車である248形と249形以外は、奇数形式と偶数形式でペアを組んでMM'ユニットを構成する。

新造形式

215形 (Ms)
グリーン席。偶数各形式とペアを組んで使用される。主制御器・主抵抗器・チョッパ制御装置などを搭載する。
221形 (Mc)
普通席を備える制御電動車。偶数各形式とペアを組んで使用される。東京向き運転台、便所、洗面所、業務用室を備え、主制御器・主抵抗器・チョッパ制御装置などを搭載する。ラウンドノーズとシャークノーズの先頭車形状が存在する。
222形 (M’c)
普通席を備える制御電動車。奇数各形式とペアを組んで使用される。八戸・新潟向き運転台を備え、集電装置・主変圧器・主制御整流装置・静止形変換装置・空気圧縮機・蓄電池などを搭載する。先頭形状は221形と同じ。1991年以降、-25, 26, 30, 34, 35, 1001 - 1003, 1501 - 1510, 1512, 1515, 1517, 1518には400系もしくはE3系との併結用に分割・併合装置が先頭に納められている。
225形 (M, Mk)
普通席を備える中間電動車。偶数各形式とペアを組んで使用される。便所、洗面所を備え、主制御器・主抵抗器・チョッパ制御装置などを搭載する。グリーン車215形を普通車化したものは、100番台を名乗る。車販準備室を備えている車両は400,1400番台を名乗り、略号も「M」ではなく、「Mk」とされた。
226形 (M')
普通席を備える中間電動車。奇数各形式とペアを組んで使用される。集電装置・主変圧器・主制御整流装置・静止形変換装置・空気圧縮機・蓄電池などを搭載する。
237形 (Mb)
半室ビュフェを備える中間電動車。構成は0系の37形式に準じており便所、洗面所、身障者対応設備を備え、主制御器・主抵抗器・チョッパ制御装置などを搭載する。37形式の相違点としてビュフェ内の速度計がデジタル化された。
248形 (T'sbd)
グリーン席とカフェテリアを併設する2階建て付随車。1階にカフェテリア、2階にグリーン席が設置された。249形とともに、200系唯一の普通鋼製の車体である。H編成でしか使用されなかったため、6両のみの製造にとどまった。
249形 (Tsd)
普通席とグリーン席を併設する2階建て付随車。1階には1人用グリーン個室が3室と2人用グリーン個室が1室、4人用普通個室が5室、2階はグリーン席が設置された。248形とともに、200系唯一の普通鋼製の車体である。H編成でしか使用されなかったため、6両のみの製造にとどまった。
形式 車両番号 定員 製造数 製造総数 備考
215 1 - 36 52名 36両 57両
1001 - 1021 21両 車内設備は0番台と同様。
221 1 - 36 45名 36両 59両
1001 - 1003 3両 車内設備は0番台と同様。
1501 - 1518 50名 18両 車内設備は0番台とほぼ同様。
2001, 2002 2両 シートピッチを1,040mmに拡大。
222 1 - 36 55名 36両 59両
1001 - 1003 3両 車内設備は0番台と同様。
1501 - 1518 60名 18両 車内設備は0番台とほぼ同様。
2001, 2002 2両 シートピッチを1,040mmに拡大。
225 1 - 72 80名 72両 171両
401 - 436 70名 36両 売店付き。
1001 - 1042 80名 42両 外観、車内設備は0番台と同様。
1401 - 1421 70名 21両 外観、車内設備は400番台と同様。
226 1 - 180 95名 180両 285両
1001 - 1105 105両 外観、車内設備は0番台と同様。
237 1 - 36 28名 36両 57両
1001 - 1021 21両 外観、車内設備は0番台と同様
248 1 - 6 40名 6両 6両
249 1 - 6 55名 6両 6両

改造形式

この他、長期に渡る使用の過程で、運用の見直しなどにより以下の各形式について改造による番台区分が発生している。特に記載のない場合、普通車のシートピッチは980mmである。

215形 (Ms, Mhs)
100番台
普通車225形をグリーン車化したもの。当初は900番台 (901, 902) を名乗っていた。
225形 42 57
215形 901 → 101 902 → 102
200番台
普通車225形を半室グリーン車化したもの。シートピッチは、全席グリーン車と同じ1,160mmに統一。
225形 44 17
215形 201 202
300番台
グリーン車215形を半室グリーン車化したもの。シートピッチは、全席グリーン車と同じ1,160mmに統一。
215形 10 19 20 21 22 23 24
215形 301 302 303 304 305 306 307
221形 (Mc)
200番台
普通車225形を先頭車化したもの。先頭形状は100系に似たデザインで、窓枠の改造やシートピッチを1,040mmに拡大の上3列側の座席も回転可能にされた。
201 - 204はH編成に組み込まれ、車体側面にピンストライプが追加されていた。
225形 43 7 8 25 26 1011 69
221形 201 202 203 204 205 206 207
222形 (M'c)
200番台
普通車226形を先頭車化したもの。先頭形状は100系に似たデザインで、窓枠の改造やシートピッチを1,040mmに拡大の上3列側の座席も回転可能にされた。
201 - 204はH編成に組み込まれ、車体側面にピンストライプが追加されていた。
226形 104 42 44 62 64 1017 1019
222形 201 202 203 204 205 206 207
225形
100番台 (Mcon)
225形400番台の車販準備室を車掌室に改造したもの。101 - 105の5両のみ改造。
225形 407 1404 430 1407 426
225形 101 102 103 104 105
110番台 (Mcon)
グリーン車215形を普通車化したもの。111の1両のみ改造。窓と座席の配置がずれている。
215形 1004
225形 111
200番台 (Mpk)
ビュフェ車237形を普通車化した201 - 205の5両のみ改造。
237形 1004 34 27 36 31
225形 201 202 203 204 205
210番台 (Mpk)
普通車225形に車販準備室、電話室、車椅子対応設備を設置した211の1両のみ改造。
225形 1007
225形 211
450番台 (Mpk)
普通車225形0番台に車販準備室、電話室、車椅子対応設備の設置、シートピッチ拡大をしたもの。窓配置はシートピッチに合わせられている。451 - 453の3両のみ改造。
225形 40 18 13
225形 451 452 453
460番台 (Mpk)
普通車225形400,1400番台に電話室と車椅子対応設備の設置をしたもの。461 - 463の3両のみ改造。
225形 435 1409 1406
225形 461 462 463
470番台 (Mpk)
ビュフェ車237形を普通車化したもの。シートピッチを1,040mmに拡大。471 - 477の7両のみ改造。
237形 10 19 20 21 22 23 24
225形 471 472 473 474 475 476 477
480番台 (Mpk)
ビュフェ車237形を普通車化したもの。481,482の2両のみ改造。
237形 29 28
225形 481 482
490番台 (Mpk)
ビュフェ車237形を普通車化したもの。480番台の車両とは、車販準備室と業務用室の位置が異なる。491 - 507の17両のみ改造。
237形 30 1007 1006 1009 26 35 1012 1002 1001 1021 1010 1018 1020 1003 1013 1011 1015
225形 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507
237形 (Mb)
100番台
普通車225形をビュフェ車化したもの。101, 102の2両のみ改造。当初は901, 902を名乗っていた。
225形 41 53
237形 901 → 101 902 → 102

注釈

  1. ^ 近畿車輛で製造された東北・上越・長野(現在の北陸)新幹線向けの車両はJR西日本保有のW7系を除き本系列のみである。なお、400系・E1系以降は主に川崎重工業・日立製作所(形式により東急車輛製造(→総合車両製作所)・日本車輌製造が加わることがある)で製造される。
  2. ^ 機器のメンテナンス性は劣る難点があった。
  3. ^ ブラシは30万㎞まで交換不要、軸受構造は90万㎞まで点検不要。
  4. ^ 客室とデッキを仕切るドアも交換されたが、ドア装置は種車の空気圧式を流用している。
  5. ^ このうちK47編成は、2012年6月23日の「東北新幹線大宮開業30周年記念号」(やまびこ235号)の運転の際にラッピングが施されたため、復興推進のステッカーが剥がされていた。その後、1号車の「つなげよう日本」のステッカーのみを貼付して定期運用を行っていた。
  6. ^ 東海道・山陽新幹線のATCは220信号以上での抑止速度は現示速度+5km/h(300のみ+3km/h)であるのに対し、東北・上越・長野新幹線(当時)では現示速度=抑止速度のため。
  7. ^ 奇しくも、この時脱線したのは先述のJ69編成であった。なお、この編成は損傷が軽微であったことから、その後修理を受け2011年内に運用復帰、2021年現在も運用中である。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 日本機械学会 編『高速鉄道物語 -その技術を追う-』成山堂書店、1999年、p.49頁。ISBN 4-425-92321-9 
  2. ^ 『鉄道のテクノロジーVol.1 新幹線』三栄書房、2009年、p.126頁。ISBN 9784779605345 
  3. ^ 日立製作所『日立評論』1986年3月号「100系新幹線電車の車両構造 (PDF) 」。
  4. ^ 車両電気協会『車両と電気』1984年8月号「東海道・山陽新幹線にモデルチェンジ車を投入(1)」p.7。
  5. ^ 『新幹線電車データブック 2011』(交通新聞社)より
  6. ^ a b c d e f 車両電気協会「車両と電気」1980年10月号「東北,上越新幹線の話(その4) - 200系新幹線電車のブレーキ制御 - 」pp.27 - 31
  7. ^ 交友社「鉄道ファン」1996年11月号特集「新幹線200系」pp.32 - 50。
  8. ^ 鉄道車両における車体軽量化設計の実際 : 主として新幹線電車の車体について松田和夫、日本機械学會誌Vol.85, No.764(19820705)、pp. 716 - 721
  9. ^ 日立製作所『日立評論』1979年10月号「鉄道車両用雪分離装置 (PDF) 」。
  10. ^ a b c 車両電気協会『車両と電気』1981年11月号「東北,上越新幹線の話(10) - 200系電車の雪寒害設備 - 」pp.26 - 29。
  11. ^ a b c d e f g h 日本鉄道運転協会『運転協会誌』1982年2月号「200系新幹線電車」pp.14 - 18。
  12. ^ a b 交友社『鉄道ファン』1996年11月号特集「新幹線200系」pp.48・52 - 53。
  13. ^ a b c d e f g h 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル」2004年9月号「JR東日本における車両情報システム」pp.47 - 48。
  14. ^ 日本鉄道サイバネティクス協議会『鉄道サイバネ・シンポジウム論文集』第17回(1980年)「マイクロコンピュータによる新幹線電車のモニタリング・システム(第4報)」論文番号615。
  15. ^ a b 政孝, 木俣 (1982). “Ii. 200系新幹線電車”. 電氣學會雜誌 102 (2): 109–112. doi:10.11526/ieejjournal1888.102.109. https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1888/102/2/102_2_109/_article/-char/ja/. 
  16. ^ 『鉄道ピクトリアル2005年12月号』電気車研究会、2011年、p.21頁。 
  17. ^ 三菱電機『三菱電機技報』第49号(1981年11月)「東北・上越新幹線向け200系電車用電機品」(外部リンク項目)。
  18. ^ 日立製作所『日立評論』1981年11月号「200系新幹線電車の主要電気品」 (外部リンク項目)。
  19. ^ a b c 東京芝浦電気『東芝レビュー』1981年11月号「200系新幹線電車の電気機器」 pp.1100 - 1104。東京芝浦電気では主変圧器、主シリコン制御整流装置、主電動機、主制御器、主抵抗器、チョッパ制御装置、静止形変換装置のほか、ATC関連機器、モニタ装置、空調装置などを納入している。
  20. ^ a b c 東洋電機製造『東洋電機技報』第49号(1981年11月)「東北上越新幹線200系電車の電機品について」pp.2 - 9。東洋電機製造では主電動機、主制御器、静止形変換装置(補助電源装置)、インバータ装置、主幹制御器、集電装置などを製造した。
  21. ^ 富士電機『富士時報』1982年6月号「日本国有鉄道200系新幹線電車用電気機器」。
  22. ^ a b c d e f g h i j k l 日本国有鉄道200系新幹線電車用電気機器 (PDF) 富士時報 第55巻第6号(1982年)、富士電機
  23. ^ 東洋電機製造「東洋電機技報」第102号(1998年11月)技術解説「新幹線用補助電源装置」pp.14 - 15。
  24. ^ a b c d 日本エヤーブレーキ『ナブコ技報』No.53(1982年1月)「JNR200系新幹線のブレーキシステムについて」pp.27 - 33。
  25. ^ 東洋電機製造『東洋電機技報』第50号(1982年1月)「56年総集編」pp.3 - 4。
  26. ^ 東洋電機製造『東洋電機技報』第58号(1984年3月)「56年総集編」pp.10 - 16。
  27. ^ 東洋電機製造『東洋電機技報』第62号(1985年3月)「56年総集編」pp.10 - 16。
  28. ^ a b c d e f g h i j 鉄道ジャーナル』第33巻第4号、鉄道ジャーナル社、1999年4月、76-77頁。 
  29. ^ a b c d ”200系新幹線電車のリニューアルについて”(プレスリリース)、東日本旅客鉄道、1998年1月29日(2016年9月17日閲覧)
  30. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '99年版』ジェー・アール・アール、1999年7月1日、183頁。ISBN 4-88283-120-1 
  31. ^ a b c d 東洋電機製造『東洋電機技報』第46号(1981年2月)「55年総集編」pp.4。
  32. ^ a b c d 日本鉄道運転協会『運転協会誌』1981年1月号「2冬目を迎えた雪試験」pp.12 - 15。
  33. ^ 日本鉄道運転協会『運転協会誌』1981年7月号「東北新幹線雪試験を終えて」pp.6 - 8。
  34. ^ 鉄道電化協会『電気鉄道』1980年11月号「上越新幹線雪試験線について」pp.2 - 5。
  35. ^ a b 山之内秀一郎 編『東北・上越新幹線 東北・上越から山形・秋田・長野新幹線まで20年の歩み』JTBパブリッシング、2002年、pp.156 - 157頁。ISBN 9784533045134 
  36. ^ 鉄道ファン 2008年7月号(車両配置表)』交友社、2008年、p.44頁。 
  37. ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ファン1996年11月号』交友社、1996年、p.53頁。 
  38. ^ 『鉄道ファン1996年11月号』交友社、1996年、p.56頁。 
  39. ^ a b c 『鉄道のテクノロジーVol.1 新幹線』三栄書房、2009年、p.77頁。ISBN 9784779605345 
  40. ^ 三好裕一 編『新幹線EXPLORER Vol.11 新幹線車両DATABOOK200系』イカロス出版、2009年、p.21頁。 
  41. ^ a b 『名列車列伝シリーズ12 新幹線あさひ&上越特急とき+JR東日本の新幹線電車』イカロス出版、2000年、P.47頁。 
  42. ^ 山之内秀一郎 編『東北・上越新幹線 東北・上越から山形・秋田・長野新幹線まで20年の歩み』JTBパブリッシング、2002年、p.158頁。ISBN 9784533045134 
  43. ^ “東北新幹線でマッサージを”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社): p. 39. (2000年12月2日) 
  44. ^ 大規模地震に対する当社の取組みについて (PDF) JR東日本プレスリリース 2005年10月19日付
  45. ^ “E5系車両を東北新幹線に追加投入!E2系車両を上越新幹線に投入!”. 東日本旅客鉄道プレスリリース. (2012年11月16日). http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121112.pdf 2011年11月17日閲覧。 
  46. ^ “2013年3月ダイヤ改正について”. 東日本旅客鉄道プレスリリース. (2012年12月21日). http://www.jreast.co.jp/press/2012/20121215.pdf 2011年12月21日閲覧。 
  47. ^ 「ありがとう200系 日帰り満喫の旅」を発売!! (PDF) - 東日本旅客鉄道 仙台支社(インターネットアーカイブ)。
  48. ^ 旅行商品専用新幹線「さよなら200系やまびこ号」 運転および「専用旅行商品」の発売について (PDF) - 東日本旅客鉄道 盛岡支社(インターネットアーカイブ)。
  49. ^ びゅうトラベルサービス「ありがとう200系新幹線 特別企画」を発売 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2013年2月21日
  50. ^ 仙台・宮城デスティネーションキャンペーン特別企画旅行商品「ありがとう200系で行く東京・大宮・東京ディズニーリゾート Rへの旅」を発売します!! (PDF) - 東日本旅客鉄道 仙台支社(インターネットアーカイブ)。
  51. ^ 「さよなら200系」号の惜別ラッピングデザインを募集します! (PDF) - 東日本旅客鉄道 新潟支社(インターネットアーカイブ)。
  52. ^ 「JR電車編成表2014冬」ISBN 9784330424132 p.360。
  53. ^ 団体臨時列車200系「春満喫TYO号」を運転します!! (PDF) - 東日本旅客鉄道 新潟支社(インターネットアーカイブ)。
  54. ^ 流山温泉駅に設置されている新幹線200系車両の撤去について (PDF) - 北海道旅客鉄道





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