成層圏赤外線天文台
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プロジェクトの進展
SOFIAは最初の地上テストを2004年8月18~19日に行い、ポラリス(現在の北極星)を撮影した。
2006年2月、NASAはスケジュールの遅れと予算超過のためプロジェクトを見直しすることとし、その作業を中断した。NASAは、SOFIAの開発を継続するために乗り越えるのが難しい技術的およびプログラム上の問題は存在しないと結論付け、2006年6月15日にSOFIAはプロジェクトの再検討の状態を脱した。2007年12月には飛行中の望遠鏡制御の技術的試験を開始した。
2009年12月には、初めて望遠鏡ドアを開けたままの飛行が行われた[2]。これは飛行中の望遠鏡周辺の空気の流れの影響を見極めるためのものであった。これに次いで2010年5月には、初めて飛行しながらの天体観測(ファーストライト)に成功した[3]。この観測にはコーネル大学が開発したSOFIA微光天体赤外線カメラ(Faint Object infraRed CAmera for the SOFIA Telescope, FORCAST)が用いられ、波長5.4マイクロメートルと37マイクロメートルの赤外線で木星が撮影された。
2013年4月11日に、SOFIAは100回目の飛行を行った。
SOFIAは2010年から観測運用を開始していたが、2014年2月末にようやくすべての観測機器がそろった。しかし、その11日後に発表された2015年度予算で、観測に必要な予算が認められなかったことが明らかになった。SOFIAはNASAが80%の予算を出し、残り20%はドイツが負担している。1990年代半ばから開発・運用には既に12億5千万ドルの予算が投入されていた。SOFIAの年間運用経費は約8000万ドルで、その多くはジェット燃料と、パイロットの維持費用、関連スタッフの人件費であり、多くの天文学者たちは1時間当たりの科学観測費用の高さには不満を述べていた[4]。
2022年4月28日、NASAとDLRはSOFIAの運用を終了すると発表した[5]。
- ^ “White House budget to ground SOFIA”. Nature.com. (2014年3月4日) 2014年3月9日閲覧。
- ^ “News and Updates 2009”. SOFIA science center (2009年12月18日). 2012年2月24日閲覧。
- ^ “News and Updates 2010”. SOFIA science center (2010年5月28日). 2012年2月24日閲覧。
- ^ “White House budget to ground SOFIA”. Nature.com. (2014年3月4日) 2014年3月9日閲覧。
- ^ “DLR – The airborne observatory SOFIA to end its mission” (英語). DLRARTICLE DLR Portal. 2022年4月30日閲覧。
- 1 成層圏赤外線天文台とは
- 2 成層圏赤外線天文台の概要
- 3 概要
- 4 プロジェクトの進展
- 5 関連項目
- 成層圏赤外線天文台のページへのリンク