君は放課後インソムニア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 23:00 UTC 版)
あらすじ
不眠症に悩まされる中見丸太(なかみ がんた)は文化祭の準備中に、校舎の上にある天体観測室にて同じく不眠症で隠れて睡眠を取る曲伊咲(まがり いさき)と出会う。互いに同じ悩みを抱えていることと側にいる時はよく眠れることに気づき、密かに観測室で一緒に睡眠を取ることを始めた。観測室の無断使用が学校側に知られ、廃部となっていた天文部を復活させて二人だけの部活動を開始する。活動を共にする中見は曲に対して段々と淡い恋を募らせる。
登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優、演の項は実写映画版のキャスト。
九曜高校
天文部関係
- 中見 丸太(なかみ がんた)
- 声 - 佐藤元[11]、洲崎綾(幼い丸太) / 演 - 奥平大兼[12]
- 本作の主人公。九曜(くよう)高校天文部の部長。素直で真面目だが不眠症を抱えており、そのせいで不機嫌がちで勘違いを生み出して優等生と見られながらも他の生徒と少しそりが合わない。伊咲とは他の生徒の前では親しげにしないようにしている。天体観測室(天文部室)で伊咲と出会ってから、天文部の活動として父親にクリスマスに買ってもらったカメラで天体写真を始める。機械に強い。父子家庭で母親は丸太が幼い頃に寝ている間に家を出ていった。料理がうまく弁当を自作している。
- 曲 伊咲(まがり いさき)
- 声 - 田村好[11] / 演 - 森七菜[12]
- 本作のヒロイン。水泳部と天文部を兼部している活発な女子だが、丸太に見つかる前は不眠症だということを他の人に隠して天体観測室を勝手に根城にして一人で隠れて睡眠を取っていた。小さいころは入院が続くほど体が弱くて水泳と体操で体力を付けた過去があり、周囲にこれ以上余計な心配をかけさせまいと不眠症のことを打ち明けられなかった。丸太の心臓の音を聞くとよく眠れる。部室に誰も怖がって近づかないように幽霊が出る噂を流した張本人。髪をチョンマゲのように結っていることが多い。先天性の心臓疾患(単心室症)を持ち就学前から入退院を繰り返しており、一般的な単心室症の最終的な治療であるフォンタン手術も受けている。現在も定期的な検査が必要で、結果に関しても再検査や入院ラインをギリギリで回避など思わしくない。人前では元気に振る舞っているが、検査結果の不調や体調不良により欠席することもある。
- 倉敷 兎子(くらしき うさこ)
- 声 - 能登麻美子[11] / 演 - 桜井ユキ[13]
- 女性の養護教諭。天文部顧問。最初は丸太と伊咲が天文観測室を学校に無断で私的に使用していることを咎めたが、二人の不眠症を理解して公式に部屋を天文部の活動場所として使用出来るように根回しして部の顧問に就任する。しかし、部活のやり方についてはよく知らないので指導をOGである白丸に丸投げした。クールな美人で面倒くさそうな顔をするが面倒見が良い。加熱式たばこを吸っている。非常に酒に強い。
- 白丸 結(しろまる ゆい)
- 声 - 戸松遥[11] / 演 - 萩原みのり[13]
- 天文部のOGでアドバイザー。童顔で小柄。恋愛関係にはウブな反応をする。在学中に全国高校生天体写真コンテストの大賞を受賞している。町外れのゲームセンター「Betty(ベティ)」の店長を務め店横のユニット住宅で気ままな一人暮らしをしている。マイペースな性格で部活動は一人でしていた。卒業後も天体写真の撮影を続けており、写真の専門学校に通っていた経験と知識から丸太に写真撮影のアドバイスをしている。人見知りだが面倒見は良い。ロロという猫を飼っている。
- ツーちゃん
- 学校内を我が物顔でうろついているハチワレの猫で、校内の二人の側にいることが多い。倉敷先生のお昼ご飯を盗んで観測室前に逃げ込んだせいで、追って来た倉敷に部屋の無断使用がバレてしまう。天文部以外でもいろいろな名前で呼ばれているが、伊咲は「ツーちゃん」と呼んでいる。放し飼いにされている飼い猫らしい。
その他の九曜高校関係者
- 受川 太鳳(うけがわ たお)
- 声 - 山下誠一郎[11] / 演 - 上村海成[13]
- 丸太の幼馴染で、丸太をガンちゃんと呼んでいる。小学校の時に丸太に不眠症であることを打ち明けられている。丸太の良き理解者で伊咲への想いを応援している。生徒会委員で天文部の復活や予算獲得のために丸太にアドバイスを送る。
- 蟹川 モトコ(かにかわ モトコ)
- 声 - Lynn[11] / 演 - 永瀬莉子[13]
- 伊咲の友達。みんなからは「カニ」と呼ばれる。ダンス部。髪型はツインテール。勉強が出来るが丸太には勝てず、敵視している。何でもあけすけに言う性格。実家はお好み焼き屋で看板娘をしている。
- 穴水 かなみ(あなみず かなみ)
- 声 - 藤原夏海[11] / 演 - 安斉星来[13]
- 伊咲の友達。伊咲とは小学校の頃からの付き合いで彼女の病気のことも熟知している。ソフトボール部。髪型はショートカット。力は強いがノーコンで、食いしん坊。伊咲からは「かあちゃん」と呼ばれている。
- 野々 三奈(のの みな)
- 声 - 諸星すみれ[11] / 演 - 川﨑帆々花[13]
- 伊咲の友達。美術部。髪型はおさげ。見た目はおっとりしているが、結構ノリがよく、それていて、コンクールで賞を獲ったこともあるしっかり者。友達からは「ののさん」と呼ばれている。
- 灰田 塁(はいだ るい)
- 声 - 狩野翔[11]
- 丸太のクラスメイト。元野球部。要領がいいお調子者。
- 羽咋(はくい)
- 声 - 兼政郁人
- 男性教師。体育会系で、丸太の不眠症に対して「甘え」「夜更かし」などの無神経な発言が多い。
その他
- 曲 早矢(まがり はや)
- 声 - 雨宮天[11] / : 演 - 工藤遥[14]
- 伊咲の姉。4つ年上で、県庁所在地である金沢市の大学に進学した。派手で伊咲に対して女王様のように振る舞う(伊咲は「大学デビューのギャル」と表現)。幼い頃から体が弱かった伊咲優先の家族に不満を持っており、現在も伊咲に対して意地悪な言動が多いが、それは病気を理由に特別扱いされては陰で泣いていた伊咲に対して「自分は妹を特別扱いしない」という彼女なりの愛情表現であり、天文部の合宿で伊咲と丸太のために車を出すなど本来は面倒見のいい性格である。
- たつるの母
- 伊咲が小児病棟に入院していた時の友人(たつる)の母。伊咲を実の娘のように可愛がっていて伊咲は時々自宅を訪れている。なお、たつるは幼いときに亡くなっている。
用語
- 九曜高校
- 物語の舞台である石川県にある高校。スーパーサイエンスハイスクール指定校で天文台があるものの、天文部は活動を休止していた。
- 七つ橋渡り
- 九曜高校の伝説。想い人と無言で御祓川の7つの橋を渡りきると両想いになれるという内容。元は金沢の古い願掛け。
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