制約条件の理論 技術に関して必要十分な6つの質問

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制約条件の理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/24 07:00 UTC 版)

技術に関して必要十分な6つの質問

  1. その技術の実際の力は何か?
  2. それがなくせるのはどの制限か?
  3. その制限を引きずらせたのはどの古いルールか?
  4. いま使うべき新しいルールは何か?
  5. ルールの変更に照らして、技術に要求されるのはどんな変更か?
  6. 変化(新しいwin/winビジネスモデル)をもたらす方法は何か?

開発と実践

TOCはエリヤフ・ゴールドラットによって創始され、緩やかに結合された世界中の実践家のコミュニティにより活発に開発されているところである。TOCはときに"制約管理"("Constraint Management")として参照される。

TOCの統括団体と認定資格

TOCは創始以来世界中の実践家により発展を続けていたが、その広まりとともに「独自の解釈」やTOCの本旨とはかけ離れた手法が見られるようになった。 そこでエリヤフ・ゴールドラットの発案により、2001年11月、世界中のTOCを支持する実務家・コンサルタント・研究者を統轄する団体が設立された。

これがTOCICO(Theory of Constraints International Certification Organization)である。

TOCICOは、TOCの実務家・コンサルタント・研究者がそれぞれ持つTOCについての知識、経験がそれに相応しいものかどうかを、世界基準から認定するための非営利団体である。

TOCICOは、6つの分野においてそれぞれ3つの資格を設定する。資格取得においては、試験およびケーススタディの提出が求められる。

分野

  • Fundamentals
  • Supply Chain Logistics
  • Finance and Measures
  • Project Management
  • Thinking Process
  • Business Strategy

資格

  • Certified Practitioner
  • Certified Implementer
  • Certified Academic

Practitionerは全世界で272名、日本国内は5名認定されている。

日本人で認定されているPractitioner

カッコ内は認定分野

  • 村上 悟 (Supply Chain Logistics, Finance and Measures, Thinking Process, Project Management, Implementer)
  • 石田 忠由 (Supply Chain Logistics, Thinking Process, Fundamentals)
  • 佐々木 俊雄 (Fundamentals, Thinking Process)
  • 内山 春幸 (Supply Chain Logistics, Thinking Process, Fundamentals)
  • 関 昌弘 (Fundamentals, Thinking Process)

思考プロセスにおけるJonah資格

Thinking Process(思考プロセス)においては、主に認定プラクティショナーが実施する教育プログラムで専門家として認められた場合、TOCICO理事長ならびにThinking Process分野の認定メンバーの署名による証明書が発行される。一般的にこの資格は『ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か http://store.ponparemall.com/bookfan/goods/bk-4478420408/?dscv=pcPFTOP010101itemPickup 』に登場するアレックス・ロゴの恩師の名から採られた「Jonah」と呼ばれる。

Jonah資格はTOCICO「自体」が認定する資格ではない。認定はTOCICO認定プラクティショナーが独自に行い、TOCICOは認定プラクティショナーの申請に基づき、それを追認・登録するという形になる。したがって表記上は「TOCICO Jonah」もしくは「TOCICO登録Jonah」といった表記になる。

TOCICOに登録されたJonahの人数はTOCICOからは公表されていないが、日本国内で約200名、全世界で約2000名程度となっている。


  1. ^ a b c d 岸良裕司 (2017). “全体最適のマネジメント理論TOC”. IEレビュー 301: 45-55. 
  2. ^ 「全体最適のマネジメント理論TOC」(岸良)と同様の趣旨の論文「全体最適のマネジメント理論 TOC 科学的理論を定義する『仮説の論理構造』とよりよい社会への可能性」(https://www.tocclub.net/performance_06.html)がインターネット上でも公開されている。
  3. ^ 日本TOC推進協議会(http://www.j-toc.jp/index.html)、全体最適の行政マネジメント研究会(http://tocgyousei.sakura.ne.jp/main/abouttoc.html)、教育のためのTOC 日本支部(https://tocforeducation.org/about/)、TOCPA Japan(https://tocpractice-japan.com/tocpa-japan/)が「制約理論」と表記。日本TOC協会(https://japan-toc-association.org/toc/basic_concept)は「『制約理論』または『制約条件の理論』」としている。
  4. ^ サプライチェーンの原点TOCとは何か”. ITmedia. 2020年12月25日閲覧。
  5. ^ ITレポート(キーワード3分講座)TOC”. 日経クロステック. 2020年12月25日閲覧。
  6. ^ エリヤフ・ゴールドラット「巨人の肩に立って」”. 何が、会社の目的を妨げるのか. ダイヤモンド社. (2013/2/22). ISBN 978-4478024010 
  7. ^ 「『トヨタ生産方式』の著者、大野耐一氏 ゴールドラット博士について語る」(動画、1分30秒あたりでゴールドラットについて語っている)『TOCクラブ』。 https://www.tocclub.net/19841129_ohno.html
  8. ^ 村上悟. “利益創出! TOCの基本を学ぶ(1):制約条件に着目した業績改善手法、TOCとは? (3/3)”. @IT MONOist. アイティメディア. 2020年12月25日閲覧。
  9. ^ 「エリヤフ・ゴールラット 何が、会社の目的を妨げるのか」(ダイヤモンド社)において、ゴールドラットの息子でゴールドラットグループのトップを務めるラミ・ゴールドラットが執筆した序文(はじめに)のタイトルが「日本を愛してやまなかった父の危惧」である。
  10. ^ 何が、会社の目的を妨げるのか. ダイヤモンド社. (2013/2/22). p. 4 
  11. ^ ゴールドラットグループの中核会社である、イスラエルに本拠を置くゴールドラット・コンサルティングの「会社紹介」。 (https://goldrattgroup.com/about/)
  12. ^ 岸良裕司 (2019/4/4). 優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか? 限界を突破するTOCイノベーションプロセス. ダイヤモンド社 
  13. ^ Kristen Cox; Yishai Ashlag (2018). Stop Decorating the Fish. North River Press 
  14. ^ アレックス・ナイト (2019). Pride and Joy プライド アンド ジョイ 誇りと喜びを取り戻す病院経営. 株式会社メディカルトリビューン 
  15. ^ 例えば、日本TOC推進協議会が「トップページ」でパブリックドメインである旨を掲載している。(http://www.j-toc.jp/
  16. ^ a b エリヤフ・ゴールドラット「TOCとは何か」、「エリヤフ・ゴールラット 何が、会社の目的を妨げるのか」(ダイヤモンド社)に収録されている論文。
  17. ^ エリヤフ・ゴールラット (2001/5/18). ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か. ダイヤモンド社. p. 464-465 
  18. ^ エリヤフ・ゴールドラット 何が、会社の目的を妨げるのか. ダイヤモンド社. (2013/2/22). p. 57 
  19. ^ The Goal: A Process of Ongoing Improvement. North River Press. (2012) 





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