円束 (射影幾何学) 円束 (射影幾何学)の概要

円束 (射影幾何学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/06 03:36 UTC 版)

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一つの円束に属する全ての円は、中心が一つの直線(中心線あるいは中心軸と呼ばれる)上にある。中心軸および焦点と呼ばれる二つの特徴点や根軸によって円束の様子を知ることができる。

円束の方程式

与えられた二円の生成する円束の方程式は、その二円の標準形方程式[注 1]の線型結合として

二点を共有する円束の例: 方程式 x2 + y2 + kx - (k + 4) = 0 の表す円束。

一方の助変数が常に非零であるものとするとき、円束の方程式は助変数を一つにすることができる。例えば、μ ≠ 0 の仮定のもと k = λμ と置けば、方程式は

互いに直交する二つの円束。赤の円束は共通の二点を通り、青の円束はその二点を分離する。
楕円型: 根軸は円の二つの交点を通る
放物型: 根軸は二つの円の接点において二円にともに接する
双曲型: 二つの焦点は根軸と中心軸との交点を中心とする一つの円上にある

円束の分類

円束は三種類に分けられる[2]:

  • 楕円型円束: (図の赤の円束) 二つの生成円がちょうど二つの点で交わる場合。このとき、交点において円束の定義方程式(生成円の方程式)は値が 0 なのだから、それらの任意の線型結合もその点において値が 0 であり、従って楕円型円束に属する任意の円はその二点を必ず通る。楕円型円束は虚円を含むことはない。
  • 双曲型円束: (図の青の円束) 二つの生成円が全く交わらない場合。この場合、円束は実円も虚円も含み、また二つの点円(これをポンスレ点あるいは焦点と呼ぶ)も含む。円束が双曲型であるためには、平面上の各点がその円束に属する円のうちちょうど一つのみの上にあることが必要十分である。
  • 放物型円束: 二つの生成円が一点のみで互いに接する場合。得られる円束は、全ての円が共通の一点において互いに接する実円の族となる(その共有点自身も半径 0 の退化した点円としてその円束に属する)。

一つの焦点 C のみを中心とする同心円の族も特別の場合の双曲型円束である(もう一方の焦点は複素射影直線の無限遠点にあると考える)。これと対応する楕円型円束は C を通る直線の族となるが、それら直線は無限遠点を通る半径無限大の円と解釈すべきである。


注釈

  1. ^ a b つまり、円をx, y の二次の係数が等しく xy の項を含まない二次式の零点集合と見る。そのような二次式の線型結合がふたたびそのような条件を満たすことは明らかである。

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