ベックム 文化と見所

ベックム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/08 06:07 UTC 版)

文化と見所

建築

旧市庁舎(中央、現在は市立博物館)と旧市庁舎酒庫(右端、現在はアム・マルクト薬局)
聖シュテファヌス教会
ヘックスベルクのゾースト監視所

ベックムには、建築学上および芸術史上見る価値のある建物がいくつかある。

  • 市の中心、マルクト広場沿いに、1441年に最初の記録がなされた古い市役所がある。この小さな建物は13世紀にまで遡る。現在の建物の中核部は15世紀に建設された。側部階段破風と尖塔型のアーチを持つ建物は1879年にフロア1つ分増築がなされた。この頃にネオゴシック様式階段破風ドイツ語版英語版が取り付けられたが、1937年に簡素化された。マルクト広場側のファサードには街の守護聖人聖ステファヌス聖セバスティアヌスの像の複製が飾られている。おそらくハインリヒ・ブラベンダー一派によって製作されたオリジナル(1500年頃)は、現在は教会内に納められている。1986年以降この建物には市立博物館が入居している。市庁舎の西側は、かつての市の酒庫の建物にアーケードでつながっている。かつての酒庫には現在、アム・マルクト薬局が入居している。
  • 市庁舎の裏に首席司祭座教会聖シュテファヌス教会(現在の教会堂は13世紀に建造されたもの)がある。このベックム最大の教会は、本市の最も重要な宗教的宝物であるプルデンシャルシュライン(プルデンシアの聖櫃)を所有している。これは1230年代に製作された黄金の聖櫃である。元々は教会の守護聖人であるステファヌスとセバスティアヌスおよびファビアヌスに献げられていたが、1881年に殉教者プルデンシアの聖遺物が収められ、これ以後彼女の名で呼ばれるようになった。この聖櫃は、この種のものとしては全ヴェストファーレン中最も価値の高いものである[15]。60ストップの歴史的なオルガンも重要である。このほかに首席司祭座教会の教会塔ドイツ語版英語版の鐘も特筆に値する。
  • ジュート通り21番地にかつてのアウグスチノ女子修道会ドイツ語版英語版ブルーメンタール修道院の跡がある。元々は市の西の門前にあったが、1451年に市内に移転した。1463年に、教会(現存しない)が完成した。1657年の火災で修道院の建物群はほぼ完全に焼失した。1814年に修道院は閉鎖された。1845年から建物の解体が行われ、寄宿舎の寝室棟だけが遺された。この建物は2007年から2009年に改修され、2009年8月15日から郷土・家族資料館として利用されている。
  • ノルト通り入り口の旧宿駅は1857年から1858年に建設された。3面の中央張り出し部ドイツ語版英語版と外階段を有するこの後期古典主義様式の建物は、1980年から1981年に完全に修復された。
  • 3度の大火災(1655年、1657年、1734年)により内市街には古い建物はわずかしか遺っていない。リンネン通り7番地(食堂「アッカービュルガーハウス」)は木組みのディーレンハウス[訳注 1]で、17世紀後半、すなわち最初の2回の大火災後すぐに建設された。ほかの多くのこのタイプの建物はこれよりも後の時代に建てられたものである。たとえば、ヴェスト通り19番地は1785年に建設された。
  • ヴェステンフォイアーマルクト(かつてのヴェステンフォアマルクト)前に1886年に郡議会場が建設された。このネオゴシック様式の建物は、かつて郡行政の本部であった建物で、現在も大変良好に保存されている。
  • この近くに建つ四角形のブッデン塔は、中世防衛施設の22基あった監視塔のうち最後まで遺ったものである。この塔は何度も改築され、現在は郷土資料室として利用されている。ヘックスベルクのゾースト監視所は耕作地を囲んでいた防衛施設の現存する最後の遺構である。
  • ユダヤ人墓地はかつての市壁のすぐ外側、旧土塁付近にある。この墓地は1690年に初めて文献に記録されている。ここには18世紀から20世紀の数多くの墓石がある。
  • 1938年にベックムとエルデとの間のアウトバーン建設に伴い、ヘッセラー陸橋が設けられた。これはドイツ初のアウトバーンを跨ぐプレストレストコンクリート製橋梁であった。この橋は2012年に取り壊され、近くのフェルン・サービスエリアに記念建造物として再現された[16]
  • ベックム通信塔は、1952年に建造されたドイツで最も古い鉄筋コンクリート製送信塔の1つである。

レジャーと文化

ベックム市は農業を中心とする地方に位置しており、レジャー施設や保養施設を数多く有している。ベックム周辺には全長約 370 km のよく整備された自転車道があり、ミュンスターラント南東部の丘陵地域を通っている。特筆すべきはヴェルゼ自転車道[17]、100城ルート[18]およびレーマー=ルート[19]である。レーマー=ルートは、ベックムの南を走ってリップボルクを通っており、一般道を使って簡単にアクセスできる。

ミュンスターラント騎馬ルート[20]の一部であり、オルフェンドイツ語版英語版からリップシュタットに至る主要遊歩道 X1が市内を通っている。

トゥッテンブロック湖

市街地の近くに自然再生化された採石場があり、大きな遊戯広場やドイツ・アルペン協会ドイツ語版英語版のクライミングウォールをもつアクティブパーク・フェニックス[21]、水浴場や水上スキー施設を有するトゥッテンブロック湖畔レジャー施設[22][23]などを含む保養地区として整備されている。

ヘックスベルク(フィットネス・トレイルや野生動物園がある)やフェレルナー・ブロックなどの森林地区には、よく整備された遊歩道、公園、売店がある。

内市街には、憩いの場として、多くの公園や緑地施設が設けられている。ベックム市内や周辺には数多くのホテルがあり、観光客の宿泊が可能である。

このほか、ベックムには、屋内・屋外プール、体育館、運動場、テニス施設、乗馬施設など様々な種類のスポーツ施設が多くある。

ベックムではクラブ活動に長い伝統があり、住民の多くはスポーツクラブ、射撃クラブ(12団体)、カーニバルクラブ(母体団体の傘下に22団体)、その他のクラブに参加している。

このほかの文化施設としては、旧市庁舎内にあるベックムの歴史やカーニバルを紹介し様々や入れ替え展示がなされる市立博物館[24]、フィロウ文化活動団の市立劇場[25]、ガーレン鍛冶博物館[26]、セメント博物館[27]、数多くの文化イベントや祭がある。1930年代から300以上の優れたコンサートが行われているフェレルンの室内コンサート「旧司祭館での音楽会」[28]はこの町の音楽生活の重要な一部となっている。

聖エリーザベト病院も文化的構成要素の1つである。1993年5月6日からここでは週4-5回独自のラジオ放送が病床で聴くことができる。かつての4人の職員が、患者向けプログラム「フロージン - アクトゥエレス - ムジーク」や、ドイツで有名な芸術家のインタビューを放送している。ベックムに関わるテーマも番組で取り上げ、放送される。

謝肉祭

ライン=ヴェストファーレン地域の謝肉祭の中心地として、毎年開催されるバラの月曜日ドイツ語版英語版パレードは市外でも有名である。1895年に9台の山車が登場する当時としてはヴェストファーレン最大のバラの月曜日のパレードが行われた[29]。その後多くの山車が造られ、クラブが設立されたため、2012年には42台の山車、43の徒歩グループが参加し、2万人以上の観客を集めた[30]。ベックムの謝肉祭のシンボルキャラクターがルムスケディ=カーター(雄猫ルムスケディ)である。これは背中を丸めた黒猫を象ったものである。しばらく前に、この猫のための山車が造られた。この山車は水を吹きかけるため、観客にとって特別なアトラクションとなっている。




  1. ^ ドイツ北部で見られる家屋の建築様式で、大きな入り口扉を備えた広い土間を持つ建物。Diele = 玄関フロアで、北部では特に土間を意味する。
  2. ^ ドイツの土地税および営業税の税率は全国共通の基本税率に賦課率を掛けた値となる。
  1. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州情報・技術局: Kommunalprofil Beckum, Stadt(2017年1月21日 閲覧)
  2. ^ Amtliche Bevölkerungszahlen auf Basis des Zensus vom 9. Mai 2011
  3. ^ Duden Aussprachewörterbuch (Duden Band 6), Auflage 6, ISBN 978-3-411-04066-7
  4. ^ a b Stadtentwicklungskonzept Beckum 2025(2017年1月28日 閲覧)
  5. ^ Rudolf Grothues: Zum Mittelpunkt Westfalens
  6. ^ Osnabrücker Urkundenbuch. Band 1: Die Urkunden der Jahre 772-1200.
  7. ^ Westfälisches Urkundenbuch. Band 3: Die Urkunden des Bisthums Münster 1201 – 1300.
  8. ^ Martin Bünermann: Die Gemeinden des ersten Neugliederungsprogramms in Nordrhein-Westfalen. Deutscher Gemeindeverlag, Köln 1970, S. 94.
  9. ^ Statistisches Bundesamt (Hrsg.): Historisches Gemeindeverzeichnis für die Bundesrepublik Deutschland. Namens-, Grenz- u. Schlüsselnummernänderungen bei Gemeinden, Kreisen u. Reg.-Bez. vom 27.5.1970 bis 31.12.1982. Kohlhammer, Stuttgart/Mainz 1983, ISBN 3-17-003263-1, S. 312.
  10. ^ 2014年5月25日のベックム市議会選挙結果(2017年1月28日 閲覧)
  11. ^ Heraldry of the world(2017年1月28日 閲覧)
  12. ^ Städtebund Die Hanse(2017年1月28日 閲覧)
  13. ^ Westfälischer Hansebund(2017年1月28日 閲覧)
  14. ^ Masterplan-Kommunen 100 Prozent Klimaschutz: Mit einem Masterplan mehr erreichen(2017年1月29日 閲覧)
  15. ^ Der Beckumer Prudentiaschrein(2017年1月29日 閲覧)
  16. ^ Structurae - Brücke Hesseler Weg(2017年1月28日 閲覧)
  17. ^ WERSE RAD WEG(2017年1月29日 閲覧)
  18. ^ 100 Schlösser Route(2017年1月29日 閲覧)
  19. ^ Die Römer-Lippe-Route: Mehr als 400 Routenkilometer zwischen Detmold und Xanten(2017年1月29日 閲覧)
  20. ^ Die Münsterland - Reitroute(2017年1月29日 閲覧)
  21. ^ Beckum - Aktivpark Phoenix(2017年1月29日 閲覧)
  22. ^ Freizeitsee Tuttenbrock(2017年1月29日 閲覧)
  23. ^ TwinCable Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  24. ^ Stadtmuseum Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  25. ^ Kulturinitiative Filou e.V.(2017年1月29日 閲覧)
  26. ^ Schmiede Galen(2017年1月29日 閲覧)
  27. ^ Zement-Museum(2017年1月29日 閲覧)
  28. ^ Musik im Alten Pfarrhaus(2017年1月29日 閲覧)
  29. ^ Rumskedi-Helau - Tradition seit fast 550 Jahren(2017年1月29日 閲覧)
  30. ^ 20000 sehen Jubiläums-Umzug, Die Glocke 2012年2月20日付け(2017年1月29日 閲覧)
  31. ^ JETRO - ドイツ - 税制(2017年1月29日 閲覧)
  32. ^ Naturschutzgebiet "Brunsberg"(2017年1月29日 閲覧)
  33. ^ Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  34. ^ Amtgericht Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  35. ^ Finanzamt Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  36. ^ Technisches Hilfswerk Ostverband Beckum(2017年1月29日 閲覧)





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