ファティマの聖母
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聖母の言葉
【5月13日】
- 聖母「何も怖がることはありません。わたしは皆さんに、何も悪いことは致しません。」
- ルシア「あなた様はどちらからいらしたのですか?」
- 聖母「わたしは天国からまいりました。」
- ルシア「あなた様は、私どもに何をお望みでございますか?」
- 聖母「わたしはあなたたちにお願いがあってまいりました。どうかこれから続けて六回、毎月十三日の今と同じ時間にここへ来てください。十月には、私が誰であるか、また何を望んでいるかをあなたたちにお話いたしましょう。」
- ルシア「あなた様は天国からいらした?では私は、この私めも天国に行けるでしょうか?」
- 聖母「ええ、あなたは天国へ行くでしょう。」
- ルシア「ではジャシンタは?」
- 聖母「ええ、ジャシンタも。」
- ルシア「それではフランシスコも?」
- 聖母「フランシスコも天国へ行くでしょう。でもその前にロザリオの祈りをたくさん唱えなければなりません。」
- 聖母「皆さんは、神様の栄光を侮辱する罪の償いとして、犠牲を払うために神様に身をささげ、神様が皆さんに送ろうとなさる苦しみをすべて喜んで受け入れてくれますか?罪びとたちの回心のために、そして数々の冒涜と聖母の汚れなき御心に加えられたあらゆる苦しみを償うために、苦しみを耐え忍んでくれますか?」
- ルシア「はい、わたしたちはそういたします。」
- 聖母「では、皆さんは多くの苦しみに耐えなければなりません。でも神様の恩寵がいつもあなたたちを助け守ってくださるでしょう。」
- ルシア「もしよろしければ、戦争(訳注:第一次世界大戦)がもうすぐ終わるかどうか、教えていただけませんか?」
- 聖母「わたしが言おうとすることをあなたに全部話し終わらないうちは、まだそれを教えることはできません。」[24]
【6月13日】
- ルシア「あなた様は、私どもにここに来るようにと仰せになりました。どうか私どもに何をお望みかおっしゃって下さいませ。」
- 聖母「来月の十三日にも皆さんにここに来て欲しいのです。それから毎日ロザリオを唱えることも忘れずにお願いします。勉強して字が読めるようになって下さい。そうしたら私が一番願っていることを皆さんにお話し致しましょう。」
- ルシア「できましたら、私どもを天国にお連れ下さいとお願いしたいのですが。」
- 聖母「はい、ジャシンタとフランシスコはまもなく連れてまいりましょう。でも、あなたはね、もっと長くこの世にとどまらなければなりません。イエス様は、私の『汚れなきみ心』への信仰を全世界に打ち立てたいと願っておいでなのです。」
- ルシア「では、私は、この世にひとりで残らなくてはいけないのですか?」
- 聖母「いいえ、わが子よ、そんなことはありません。それに、そんなことで悲嘆に暮れたりするのですか?気を落としてはなりません。私は決してあなたを見捨てたりはいたしません。私の汚れなきみ心が、あなたの心の支えとなり、あなたを神様へ導く道となりましょう。」[25]
【7月13日】
- 『あなたたちは、哀れな罪びとの魂が行き着く先の地獄を見たのです。彼らの魂を救うために、主は私の汚れなきみ心への信仰をこの世に打ち立てたいと願っておられます。もし私があなたたちに話すつもりでいることを人々が実行するなら、たくさんの霊魂が救われ、世界は平和になるでしょう!』
- 『戦争(訳注:1914~18年の第一次世界大戦)は終わりに近づいていますが、もし人々が主に背き罪を犯し続けるなら、次の教皇(訳注:ピウス11世)の在位期間中にもっとひどい戦争が始まることでしょう。』
- 『いずれあなたがたは、不思議な大きな光が夜空にかがやくのを見るでしょうが、これを見たら、神様が与えたもうたしるしと悟りなさい。それは、戦争と飢きんと教会や教皇様への迫害が、天罰として人類にふりかかる日の近いしるしです。』
- 『それを防ぐために、どうかロシアを私の汚れなきみ心に奉献し、月の初の土曜日ごとにつぐないの聖体拝領をするよう、お願いしたいのです。』
- 『もし人々が私の願いを聞き入れるなら、ロシアは回心し、世界は平和となりましょう。もし聞き入れなければ、ロシアはその誤った考えを世界中にまき散らし、戦争や教会への迫害をあおり立てるでしょう。そのために大勢の善良な人々が大いなる苦しみを受け(訳注:「大勢の善良な信者が殉教し、」と訳すことも可)、教皇様は多くのことを堪え忍ばねばならず、たくさんの国や民族が滅びてしまうのです。ですが最後には、私の汚れなきみ心が勝利をおさめます。世界を汚れなきみ心に奉献することは実行され、ロシアも回心し、地上に平和な時代がもたらされることでしょう……』[注釈 1]
【8月19日】
- 『もし人々があなたたちを無理やり町へ連れ出したりしなかったなら、奇跡はもっと壮大なものとなったでしょう。あなたたちは、聖ヨセフと、人々を祝福する幼子イエスと、"ロザリオの聖母"と"苦しみの聖母"を見るでしょう。』[27]
【10月13日】
- ルシア「あなた様はどなた様で、私に何をお望みでございますか?」
- 聖母「私はロザリオの聖母です。私のためにここに聖堂を建ててほしいのです。」
- ルシア「もしよろしければ、お願いしたいことがたくさんございますが!…」
- 聖母「そのうちのいくつかは聞き届けましょう。でも残りについてはそうはまいりません。人々は行いを改め、罪の許しを願わなければなりません!」
- 聖母「人々はもうこれ以上、主なるキリストに背いてはなりません!主はすでに、あまりにも背かれ過ぎているのです!」[注釈 2]
注釈
出典
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 21–26.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 27–36.
- ^ アロイジオ・デルコル神父『地獄について』世のひかり社、p28-29
- ^ アロイジオ・デルコル神父『ファティマの聖母』世のひかり社、p.20
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 40–47.
- ^ カトリック中央協議会 2001, pp. 16–17.
- ^ 次の戦争を意味すると解釈されている。
- ^ 1938年、ヨーロッパで巨大なオーロラが観測された直後に第二次世界大戦が勃発している。
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 41.
- ^ a b c カトリック中央協議会 2001, pp. 18–19
- ^ 1967年5月13日に制定されている。
- ^ a b Father Paul Kramer, B.Ph., S.T.B., M.Div., S.T.L. ,The Fatima Crusader Issue 73, Spring 2003
- ^ 出現があった当時は、ボルシェビキ政権は成立していなかった。後年にロシア共産革命、冷戦となって現実化する。
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 76–86.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, p. 102.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 53-58.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 60–68.
- ^ ファティマ (Fátima)、世界一の祭壇への旅 ポルトガル政府観光局
- ^ ファティマの牧童、列聖へ カトリック新聞オンライン
- ^ ファティマの牧童フランシスコとジャシンタ、今年5月13日列聖 バチカン放送局
- ^ Pope Fatima: Homily for Canonization Mass Vatican Radio
- ^ ダニエル・レジュ 1990, pp. 89–109.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, pp. 63–65.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, pp. 90–91.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, pp. 94–95.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, p. 97.
- ^ ダニエル・レジュ 1990, p. 104.
- ^ カトリック中央協議会 2001, p. 16.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 38.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 40.
- ^ カトリック中央協議会 2001, pp. 16–18.
- ^ a b アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 40–44
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 44.
- ^ 第二次世界大戦を意味すると解釈されている。
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 60–66.
- ^ カトリック中央協議会 2001, p. 56.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 76–77.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 77.
- ^ a b アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 80.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 84–85.
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, p. 85.
- ^ Petition to our Holy Father: Consecration of Russia,The fatima network
- ^ アントニオ・アウグスト・ボレッリ・マシャド 1997, pp. 77–78.
- ^ カトリック中央協議会 2001, p. 3-6.
- ^ リチャード・ドーキンス『神は妄想である』早川書房、2007年 p.139
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