ビリヤード
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アーティスティック・ビリヤード
アーティスティック・ビリヤードはビリヤード競技のひとつ。俗に曲球、トリックショットとも呼ばれる。ポケット・テーブル(ここではスヌーカー・テーブルも含む)で行われるものと、キャロム・テーブルで行われるものがある。JPBFではアーティスティック・ビリヤード選手権を開催している。
ポケット・テーブルで行われるものは複数の的球を定位置に置き、ワンショットで全ての的球をポケット・インさせるというものが多く、的球を決まった位置に置くことからセットボールと呼ばれる。日本ではこの分野においては木村義一プロなどが有名である。
日本ではTV番組「新春かくし芸大会」において堺正章(2004年)、恵俊彰(2007年)などがプロより技術指導を受けて挑戦したこともある。
キャロム・テーブルで行われるものは決まった位置に2個の的球と1個の手球を置き、マッセや「切り押し」「切り引き」と呼ばれる、他の競技よりも手球に鋭い回転を賭けるショットを多く用いて全ての的球に手球を当てることを目的とする。配置によって難易度が変わり、その難易度によって5-10点の得点が与えられる。日本ビリヤード協会(NBA)のキャロムビリヤード競技規定によると、一つの配置を規定条件と呼び、複数の規定で得た合計得点によって勝敗が判定される。一つの規定においてプレイヤーは3回の連続した試技が許され、一度成功するとその規定の得点が与えられる。[5][6]
世界のビリヤード
アメリカ
日本と違い、アメリカ英語では billiards と言った場合キャロムを指すことがあり、ポケットのあるゲームは pool、pocket billiard などと呼んで区別する場合があるので注意が必要である。
日本ではあまり見かけないが、アメリカではバー等に設置されたコイン式の有料ビリヤード台を良く見かける。この台はコインを入れると手球を含む16個のボールが貸し出されるようになっており、このような台ではもっぱらエイトボールが、ゲームに負けた方が次のゲームのゲーム代を置いて次のプレーヤーと交代し勝者が続けてプレーするというスタイルで気軽な娯楽として楽しまれている。 しかし、ゲーム中に手玉がポケットされてしまうとゲームが続行できないため、この様な台では的球と違うサイズの手玉を用いる事により機構上対応されている。とはいえ、手球以外の玉は一度ポケットされる次にコインを入れるまで出すことができない。エイトボールのルール上8番ボールをミスポケットすると即負けとなるのは、このコインテーブルの機構に由来する。 (近年のナインボール・ルールで理由を問わず的球を台上に戻さないようになったのは、主にアメリカにおけるテレビ放送の都合によるスピードアップを目的としてのものであり、上記コインテーブルの仕組が原因ではない)
フィリピン
フィリピンではビリヤードは「貧者のゲーム」と言われており、安い料金でプレイできる。料金は1ゲームごとに精算する店舗が多く、ナインボールが7ペソ/ゲーム、エイトボールが10ペソ/ゲームとなっている。そのため、ゲームがすぐに終わってしまい結果として割高な料金を支払うことになるナインボールよりも1ゲームのプレイ時間が長いエイトボールが好んで遊ばれている。近年は時間ごとにゲーム代を支払う場所が増えた。
また国内で広く一般的に浸透しているため、ゴーゴーバーでは水着の女性とビリヤードが遊べるサービス産業が存在したり、スラムでは線路を不法占拠してビリヤードに興じるなどの問題が起きている。
日本での試合形式の概要
ここでは日本における試合形式について言及する。
キャロム・ビリヤード
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ポケット・ビリヤード
一般にはシュートアウトなしのテキサスエクスプレスのナインボールが最も多くプレイされているが、レベルに応じてプレイヤー同士でルールを取り決めてゲームを行うのが普通である。日本の住宅事情から、自宅にはテーブルを持たず、ビリヤード専門店に通うのが愛好者の間で一般的である。店ごとに決められた時間あたりの料金を支払ってプレーする。客のほぼ全員が現金を賭ける麻雀ほどではないが、ギャンブルを行う者がいる。ただ、近年、ギャンブル禁止を謳う店舗も散見され、純粋なスポーツあるいは競技として取り扱われる傾向は増えつつある。
- 公式戦
- 公式戦は、ビリヤードに関連する団体が主催して行う試合である。想定される参加者の所属する地域に関しては、全国レベルのものから、参加者の所属する地域をある程度限定するもの、地域対抗の形式のものなど各種ある。参加者に対してハンディキャップは設定されないことが多い。公式戦にはアマチュアのみ参加できるものと、アマチュアとプロの両方が参加できるオープン戦があり、オープン戦には国内オープン戦と国際オープン戦がある。オープン戦の場合アマチュアの参加が限定されることもある。[注 12]
- ハウストーナメント
- 各地のビリヤード場が主催して行う試合である。想定される参加者の所属する地域は、ほとんどがその店舗の近隣を想定されているが、そのように規定されている場合は少ない。公式戦と異なり、異なる技量の参加者同士が拮抗したゲームが行えるよう、参加者の技量「クラス(級)」に対してハンディキャップを設定する、あるいは参加者の技量を参加条件として限定している場合が多い。
注釈
- ^ 「POOLPLAYER ISABU」(著:山下東七郎)によると、ビリヤードの才能の一つとして「決して揺れない心」と表現されている。
- ^ ロバートバーンが自著で語ったところによれば「ビリヤードの要素の大半は精神力と集中力で占められる」としている。ロバートバーン(1999) p.33
- ^ 日本では緑や青地のラシャを見かけることがほとんどであるが、赤やベージュといった色も存在する。
- ^ ポケットビリヤード用の9フィートテーブルはスレート重量も併せて総重量が400kg程度になる。
- ^ 9フィートサイズのポケットテーブルは概ね3枚のスレートで構成される。
- ^ 英語ではshotと表現されるが、日本では「打つ」と表現されることは少ない。
- ^ キャロム競技では黄色のものを利用している場合もある。また、ロシアン・ピラミッドでは的球が全て白色となっているためバーガンディなどの色を使っている。
- ^ 人によっては状況次第で利き腕と逆のフォームを作ってプレイする人もいる
- ^ ショット毎にどちらの白球でも自由に選んで撞いて良い「エニーエニー」と呼ばれるルールも存在する
- ^ プールという言葉には長年悪いイメージがついていたが、それは競馬の「ノミ屋」を指す言葉 poolroom の意味合いが変化したため。観客がレースの合間に遊べるようにノミ屋達がビリヤード台を設置したことが始まりである。長い時間を経て poolroom は「ビリヤードをするための部屋」という印象が強くなり、ビリヤードは次第にギャンブル色が強いものへと認識されるようになった(以上はCUE'S(2006年5月号 p.114)の記述を参照)。また「pool」という単語自体にも「プール賭博」という意味がある。
- ^ 1950年代のアメリカでは10フィートサイズのものが公式テーブルとして採用されていた。(CUE'S(2007年7月号 p.25)を参照のこと)
- ^ 全日本ポケットビリヤード選手権大会は主なアマチュア全国大会の優勝者や、国内オープン戦のベストアマなどに限定される。
- ^ 作者死去のため未完という説が流れたが、実際は原稿を落とし続けたことで連載中止となった。1~4巻のみ刊行。
出典
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