パンチライン (アニメ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/17 10:08 UTC 版)
用語
- 古来館(こらいかん)
- 本作品の舞台地となるアパート。遊太やみかたん達が住んでおり、明香が大家を務めている。一見、古ぼけたアパートだがストレンジジュースの活動拠点にもなっており、建物内や地下には様々な仕掛けが張り巡らされている。出動する合図として緊急事態が発生するとサイレンと共に曲が流れる。基本的にはペットの飼育は禁止されているが、「あまり騒がないし、部屋を傷付けない」などの理由でラブラが飼育している亀は許可されている。また、男性は「うるさいから」という理由で女性のみが入居を許されている。遊太の場合は「心は男でも体は女だから」と特別に許可されている。館の周囲には平原や森などの緑豊かな公園が広がっており、周囲の住宅街からは完全に孤立している。公園の総面積は10万坪(約33万平方メートル)、東京ドーム約7個分とされるほど広大だが、公園内は古来館を除けば「石乃狩(いしのがり)神社」という無人の神社があるだけである。
- 遊太の肉体を乗っ取った人物は103号室に魔除けの札を張り付け、遊太の幽体が入り込めないようにした後にニコ生配信で自身の部屋の様子をリアルタイムでネットに公開するという行動に出ている。アニメ版ではその詳しい理由は明かされないが、ゲーム版では途中でライブ配信から録画に切り替える事で遊太の幽体に103号室内の時間帯を誤認させる為であった事が語られた。また、札はラブラの部屋から無断で持ち出したものである。
- 当初の設定では男性の入居者も相応に居る設定だったが、「主人公がパンツを見たら人類滅亡ぐらいのインパクトが欲しい」という意見を取り入れた結果、住人が女の子ばかりになった[5]。
- 幽体(ゆうたい)
- 肉体から抜け出た状態の魂。幽霊。実体が無いため、物に触れる事もできず、人間側から知覚される事もない。本来の肉体とは「魂の緒」というへその緒のようなもので繋がっており、幽体が自由に活動できるのは肉体の周囲の魂の緒が伸びる範囲内(肉体から216メートルまで)に限られる。それ以上強引に肉体から離れると魂の緒が切れ、二度と肉体には戻れなくなる(通常は肉体が範囲外に移動すればそれに引きずられる形になる為、幽体が自ら離れようとしなければそのような事にはならない)。チラ之助曰く、生まれたばかりの赤ん坊のように「いつ眠りに付き、いつ目覚めるかわからない」状態であり、遊太の知らぬ間に時間が進んでいる事が度々ある。
- 霊力の行使によって、物を動かしたりなどができるが、その度合いは霊力レベルによって異なる。シナモンは霊力を高める効果があるとされ、シナモンが充満した空間では通常よりも強く現実世界に干渉できる。霊力レベルが高ければ他者に憑依する事も可能だが、対象がトランス状態(気絶でも良い)でなければならない、対象との霊的波長が近くないと失敗する、などの制約が存在する。前者はシナモンによる霊力補強で無視可能。後者は対象が霊媒体質であればその限りではない為、遊太は度々ラブラに憑依している(但し、二人の霊的波長は近くはない為、憑依は7分程度しか持続できない)。
- 通常、生きた人間の肉体から幽体が抜け出ることは無いが、ユーバ化の最中は閾下の意識が顕在意識を排斥することにって、魂が解離しやすい状態になる為、物語冒頭でユーバ化して気絶した遊太は未来の自分の幽体に憑依された際、肉体を追い出されて幽体離脱してしまった。また、9年前のパイン、ちよ子、ぐり子の三人はユーバ化した状態で落雷の衝撃を受け、それによって魂と肉体が入れ替わるという特異な現象が起きている。例え他人の肉体でも魂は時と共に馴染む為、現在の三人の魂は肉体に完全に適応した状態にある(遊太の幽体が本来のパインではなく現在の伊里達遊太の姿になっているのはその為)。
- ナンダーラガンダーラ
- 古代インドの聖典。チラ之助によれば、古来館内に隠されており、奪われた肉体を取り戻す秘儀が記載されているという。
- 実際は秋奈が購入したただの鍵付きの日記帳であり、ナンダーラガンダーラという名前も表紙に手書きしただけである。中には「U-TURN!」とだけ記されており、遊太が人類保存計画に失敗した際に次の遊太に希望を託し、過去に飛ばすために用意されたもの。
- アニメ版では秋奈が何故これを用意したのかは語られないが、ゲーム版ではチラ之助が秋奈に暗示を掛けた為であった事が示唆されている。
- 幸励術(こうれいじゅつ)
- 鳩のマスクを被って珍妙なダンスを踊り、相手を笑わせて元気付ける行為。除霊の依頼に失敗した(インチキがばれた)ラブラを励ます為に明香が実践するが、名前の響きから「降霊術」と勘違いしたラブラとのすれ違いと遊太の干渉によって一悶着が起きた。最終的に誤解は解けたが、後にラブラが遊太の幽体を呼ぶ際に「降霊術」として踊っている。
- 原案のゲーム版シナリオには存在せず、ネットミームの「びっくりするほどユートピア!」が使用されていたが、アニメ版では放送の関係上そのまま流す訳にはいかなかった為、オリジナルのダンスに変更され、ゲーム版にもフィードバックされた[5]。
- Q-may会(きゅうめいかい)
- 独自の終末思想を教義とする新興宗教団体。小惑星の衝突を政府が秘匿していると主張しているが、グリーゼからは「地球滅亡を企んでいる」と推測されている。武装してバスジャックや立て篭もり事件などを引き起こしている。ユーバ化の研究を目的としてユーバラボという研究施設を運営していた。
- 小惑星VR1(しょうわくせいぶいあーるわん)
- 地球に接近している直径2kmの小惑星。政府や各機関の発表では地球に衝突する事は無いとされているが、グリーゼによると情報の秘匿であり、実際は大晦日に地球に衝突するという。遊太が二度続けて興奮する事でも地球に衝突し、人類を滅亡させる。
- しかし実際は公的な発表の通り地球への衝突コースからは外れており、Q-may会がA・F・S・p・a・Cのサーバーにハッキングして衛生から核ミサイルを発射する事で軌道を変えていた。その結果、大晦日に地球に衝突する事になる。
- 最後はピースメイカー作戦で世界中から放たれた3600発もの核弾頭によって完全に破壊された。
- 漫画版ではただの小惑星ではなかった事が明かされている。
- インターセプト作戦
- アメリカが極秘裏に進めている計画。A・F・S・p・a・C管轄下にある軍事衛星から数十発の核ミサイルを発射し、VR1を地球到達前に破壊するというものである。しかしQ-may会の送り込んだコンピューターウイルスによってサーバが乗っ取られ、作戦の遂行が出来なくなった為にグリーゼは明香の助力を仰ぐべく古来館を訪れた。実際は、明香のハッキングスキルを利用してA・F・S・p・a・Cのサーバにウイルスを送り込む事がQ-may会の目的であり、核ミサイルでVR1の軌道を変えて地球に落下させる為であった(大気の存在しない宇宙空間では核兵器は本来の威力を発揮できない為、数十発程度の核ミサイルではVR1の軌道を変える事しか出来ないとされる)。
- 透メイカー(とうめいかー)
- 明香の発明品の一つ。一見イカの形をした着ぐるみだが光学迷彩が搭載されており、着用することで姿を消し、透明人間になれる。元々はストレンジジュースの支援装備として開発されたが、みかたん本人が「見た目が気持ち悪い」「姿を消すのは卑怯」だと使用を拒んだ為、実戦投入はされなかった。以後は敵襲時に明香やラブラが着用したりと要所で活用されている。稼働時間が短いのが難点で、ゲーム版ではみかたんが姿が消えていないことに気付かず愛とラブラを煙に巻こうとして失敗し、ストレンジジュースの正体だとばれてしまった。
- フェイスメイカー
- 明香の発明品の一つ。あらゆる顔に擬態できるマスクで、更に変声機「ボイスメイカー」と併用することで、他人に成りきる事ができる。当然、顔しか変わらない為、体格が全く違う相手には擬態できない。作中では亀男襲撃時に明香が愛に擬態する為に使用するが、実は既にQ-may会によってボイスメイカーと共に一つずつ奪われており、それらを使って寺岡がグリーゼに化けていた。また、ゲーム版では遊太はミヤケン変装時にボイスメイカーを持ち出して使っていた事が明かされている。
- 暴力主義的革メイカー(ぼうりょくしゅぎてきかくめいかー)
- 明香の発明品の一つで、搭乗型の戦闘用ロボット。アニメ版では「革メイカー」としか呼ばれていない。ユーザーインターフェースは愛と遊太がプレイしているゲーム「ニュークランド」を模している為、同ゲームの操作方法が分かれば操縦可能。愛のような凄腕のプレイヤーが操縦すれば、戦車や戦闘ヘリの群れをも物ともしない圧倒的な強さを発揮する。アニメ版では当初は明香が花火の打ち上げのために用いていたが、最終決戦では愛が独断で搭乗した。ゲーム版では決戦前夜に愛が搭乗し、自身も戦う旨を語っている。
- ユーバ化
- 超人的な能力を発することが可能な状態のこと。正確な名称はユーバーメンシュ化。ハーキュリーウイルスと呼ばれるウイルスに感染することで、エピジェネティックな作用により体組織が変異し、肉体の限界を超えた力を得られる。普段はリミッターが掛けられているが、外れると能力が発揮される。遊太の場合はパンツを見るなどで興奮することでリミッターが外れる。ただし、ユーバ化の使用には大きなリスクを伴い、多用すると肉体を著しく消耗させるため、最悪の場合死に至る場合がある。みかたんは13歳の時からユーバ化を幾度となく繰り返してきた為、身体のあらゆる数値が異常値を出すほどに損傷している。尚、ユーバ化能力者が幽体となって他人に憑依した場合、憑依された人間もユーバ化が可能となる。
- 上述した通り、ユーバ化の最中は魂が解離しやすい状態になる為、9年前にユーバ化と同時に雷のエネルギーを受けたパイン、ちよ子、ぐり子の三人は肉体と魂が入れ替わっている。現在の三人は伊里達遊太=ちよ子の肉体を持つパイン、成木野みかたん=ぐり子の肉体を持つちよ子、寺岡龍都=パインの肉体を持つぐり子、となっている。
- W(ダブリュー)
- Q-may会が目指す人間の理想形。愛が飼っているムヒの再生能力を利用する事でユーバ化による肉体の消耗の問題を解決し、恒常的なユーバ化を可能とする。指の骨折なら一日、銃創すら三日程度で完治が可能。ムヒは元々その為にQ-may会によって生み出された。壺内はWの完成の為にムヒを付け狙っていたが、実は既に寺岡によって完成させられており、Q-may会内部にはW化したハーキュリーウイルス感染者が何人も存在する。
- 人類保存計画(じんるいほぞんけいかく)
- 小惑星VR1が落下する未来を回避するための計画。大晦日の人類滅亡時から遊太の幽体が10日前の12月21日に飛び、過去の肉体を乗っ取った後に行動を起こす。小惑星落下阻止に失敗した場合は、12月21日に肉体を追い出された遊太の幽体が10日前に飛び、同様の手順を繰り返す。その為に、追い出された幽体は10日間のうちに長距離時間跳躍を可能とするだけの霊力と意志力を得なければならない。計画の実行者である遊太が死ぬと人類滅亡が確定するため、小惑星落下の瞬間へと時間が加速する。幽体化した遊太はあらゆる外部からの刺激に敏感になっており、その状態で二度続けて興奮することにより魂の緒を通じて凄まじい量の興奮エネルギーが遊太の肉体に流れ込み、テクノブレイクを起こして死に至る。「パンツを見たら人類滅亡」とはその結果起こる現象である。チラ之助曰く、「補完」でもよかったが色々と面倒なので「保存」にしたとの事[10]。
- これまでに63億を超える遊太がこの計画を実行してきたが、全員失敗に終わっていた。チラ之助は、今までの遊太は「許可しない限り歴史を変えてはならない」という掟を破った結果失敗してきたと語るが、ゲーム版でチラ之助に従う選択肢を選んでも結局計画は失敗してしまう為、チラ之助自身も全てを把握している訳ではない事が分かる。
- アニメ版ではチラ之助が「これまで63億7315万3740人の遊太が失敗した」と言っており、今回は63億7315万3741回目の周回であることがわかる。ゲーム版では別の周回を取り上げており、失敗した遊太の数が63億7315万3742人に増えているが、成功した例(アニメ版)もあることが語られる。
- 霊界画像交信機(れいかいがぞうこうしんき)
- 台初天華の発明品で、霊界と交信ができるとされるFAX。通称・霊像交。見た目は冷蔵庫に入れられたFAXで、明香によると一度も霊界と交信できたことは無いが、天華は終生大事にしていたという。
- 実は見た目通りのただのFAXであり、当然霊界と交信などはできない。25年前に未来の遊太に憑依された幼少期のラブラから明香の設計図や未来の出来事をこの霊像交を通じて知らされ、それを受けた天華が明香の開発、ジャスティスパンチ結成の準備など行動に出ていたのが真相である。その為、天華は未来の明香から受け取った設計図を元に明香を開発した事になるが、最初に明香を生み出した存在については謎のままであり、明香は「運命」だとしている。
- ジャスティスパンチ
- 台初天華が明香に結成を指示した秘密部隊。「パンチ」とはヒンディー語の「5」の意味であり、「正義の5人組」の意味を持つ。しかし明香自身もその意義や目的、戦う相手については知らず、ただ漠然と「世界を救え」と指示されていただけであった。メンバーはみかたん、明香、遊太、愛、ラブラの5人。
- ピースメイカー作戦
- 地球に迫り来るVR1を破壊し、「最高にハッピーでピースフルな未来」をもたらすための作戦。明香が各国の軍や潜水艦のサーバに同時にハッキングを仕掛け、世界中にあるICBMやSLBMを一斉に打ち込んでVR1を完全に破壊する。その間、古来館に来ると予想される警察隊を撃退するのが遊太達の役目である。本来は遊太と明香だけで実行するはずだったが、みかたん達に盗み聞きされていた為、結果的には遊太の幽体を含めた6人で実行された。当初はQ-may会の息の掛かった警察の機動隊が襲い来るのみであったが、やがて米軍の総攻撃やW達の襲撃で戦いは激化していく。最終的にはVR1の破壊に成功したが、その代償で死に瀕したみかたんを救うために遊太、或いは寺岡が命を落とす。
- ^ 小室がアニメの劇伴を担当するのは2004年の『ゾイドフューザーズ』以来およそ11年ぶり。
- ^ アニメでは最終決戦で突如として加勢したが、ゲームでは決戦前夜の打ち上げで事前に打ち合わせていた。
- ^ ゲーム版ではスッポンと間違えてイシガメを食べた所為で酷い食中毒に見舞われた事が原因だと語られた。
- ^ 遊太としては数回しかユーバ化していないため、すぐに命の危険に晒される事は無くなったが、またユーバ化を繰り返せば元の木阿弥である。しかし本人が「連れていかないとユーバ化する」と自分自身を人質にしている。アニメ版ではこれらへの言及は無い。
- ^ 当初は「雨の日に段ボールに捨てられていたのを拾った」と説明したが、後に「本当は預かったもの」と告白した。
- ^ ゲーム版のイタズラパートでは普通の人間同様に驚くと「ぶっ魂」が出る。
- ^ 情報処理能力と開発技能、人の心を理解する機能を搭載した為、運動能力までは備えられなかった。また、欠点がある事で人間らしくなるという天華の意図もあった。
- ^ ゲーム版では生まれて間もない好奇心旺盛だった頃にチワワに噛まれた事が原因だと明かされた。
- ^ これはQ-may会の計画の要である古来館とムヒを同時に始末することで人類滅亡を阻止する、という友田なりの行動であった。
- ^ 古来館で暮らしているのは、秋奈の話を聞いて自分も古来館に興味を持った為とゲーム版で明かされた
- ^ 当人としては、霊だと思っているものは全て不安や恐怖心の産物であり、自分の仕事はそう言ったものに悩まされる人に安心感を与える事としている。
- ^ アニメ版ではみかたんに、ゲーム版では愛に名付けられた。
- ^ アニメ版では「方舟」と呼ばれるものにW達を乗せて小惑星落下を生き延びようとしていた。ゲーム版では自分達のシェルターを用意している語られる。
- ^ 愛を巻き込まず、爆弾でムヒと古来館のみを排除しようとしていたが、仮に思惑通り進んでも愛がムヒを見捨てるはずが無かったと、後に計画の綻びを認めている。
- ^ アニメ版では言及は無いが、ゲーム版では秋奈を古来館に住まわせる事が天華の遺言の一つだった。
- ^ ハートマークは「だいすき」と読み、通して読むと「しょこたん だいすき でんぱぐみ」。
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