パンチライン (アニメ)
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パンチライン | |
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ジャンル | シチュエーション・コメディ、ミステリー |
アニメ | |
原作 | MAGES.、フジテレビ |
監督 | 上村泰 |
脚本 | 打越鋼太郎 |
キャラクターデザイン | 岩崎将大 |
音楽 | 小室哲哉 |
アニメーション制作 | MAPPA |
製作 | パンチライン製作委員会 |
放送局 | フジテレビほか |
放送期間 | 2015年4月10日 - 6月26日 |
話数 | 全12話 |
ゲーム | |
対応機種 | PlayStation 4 PlayStation Vita |
開発・発売元 | MAGES. (5pb.) |
プロデューサー | 市川和弘 |
ディレクター | 中澤工 |
キャラクターデザイン | 岩崎将大 |
シナリオ | 打越鋼太郎 |
音楽 | 小室哲哉 |
メディア | PS4:BD-ROM、ダウンロード PSVita:PS Vitaカード、ダウンロード |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2016年4月28日 2018年9月25日 |
レイティング | CERO:D(17才以上対象) ESRB:M(17歳以上) |
キャラクターボイス | あり |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
概要
これまで『残響のテロル』や『神撃のバハムート GENESIS』を制作してきたMAPPA制作による、オリジナルテレビアニメ作品である[1]。監督は『ダンタリアンの書架』の上村泰[1]、脚本は『Ever17 -the out of infinity-』の打越鋼太郎[1]、キャラクターデザインは岩崎将大、音楽は小室哲哉が担当する[注 1][1][2]。キャッチコピーは「パンツを見たら人類滅亡!?」。
元々は打越がゲーム作品として企画していた[3]が、本作品のプロデューサーであるMAGES.の市川和弘に見せたところ「これは絶対にアニメ化したほうがいい」と推され、市川が自身とつながりを持っているフジテレビのプロデューサーに売り込んだ結果、テレビアニメとしても展開することになり[3]、ゲーム作品とテレビアニメ作品の制作が同時進行することとなった[3]。企画に際し、打越は企画を立てた当初からアニメ化などのメディアミックス化も希望していたが、「ゲームと同時にアニメ化が動くとは思っていなかった」という[3]。また、ゲーム版ディレクターであり、過去には打越や市川と共に『Ever17』などを手掛けていた中澤工も企画初期段階から関わっており、内容には中澤のアイデアも詰め込まれている[4]。
主人公の伊里達遊太とアパートに住む住人たちの暮らしぶりやアパート内での出来事を中心に展開していくシチュエーション・コメディ作品となっており[3]、物語は基本的に古来館内で進行していく[3]。また、前述のキャッチコピーにもなっている「人類滅亡」の回避方法を主人公が見つけ出していくという内容にもなっている[3]。
原案はゲーム版のシナリオで、そこから重要なエピソードをピックアップし、12話という尺に収める形でアニメ版の脚本が製作された。一方、その過程で生じた矛盾などと辻褄を合わせる為に、ゲーム版のシナリオもアニメ版からフィードバック・修正されている。アニメ版監督の上村の意向により、物語の結末はアニメ版とゲーム版とで全く違ったものになっている。ゲーム版の方がより“ハッピーでピースフルな”エンディングとされるが、どちらも一つの結末であり、一方がトゥルーエンドという訳ではない[5]。
タイトルの『パンチライン』 (Punch Line) とは、英語でコメディなどの「落ち」を意味する単語である。初期案は「パンチライン ディスカネーション」であり、「幽体離脱」の意味を持つ「ディスカネーション」と、「パンチラで、いいんですかねー?」を捩ったダブルミーニングを狙ったが、長過ぎる事と、「ディスカネーション」が一般的な言葉ではなかった為、現在のタイトルとなった[5]。
ストーリー
アパート・古来館に住む少年・伊里達遊太は、同じく古来館に住む秩父ラブラと共にバスジャックに巻き込まれる。そこに正義の味方・ストレンジジュース / 成木野みかたんが駆け付け、台初明香の協力もあって犯人グループを撃退するが、そこへ犯人グループのリーダー・寺岡龍都が現れ、ストレンジジュースに拳銃を突き付ける。だが、ラブラの下着を目撃したことで覚醒した遊太は寺岡に飛びかかり、共にそのまま川に落ちる。その後、ストレンジジュースに救出されるも彼女の下着を目撃したことにより再び興奮し、意識を失うと共に何者かに肉体を奪われ、幽体離脱してしまう。霊体として目覚めた遊太のもとにチラ之助と名乗るネコが現れ、元の体を取り戻すには「ナンダーラガンダーラ」という書物を見つけ出す必要があること、今の自分が二度続けて興奮すると人類が滅亡することを告げられ、興奮を避けつつナンダーラガンダーラを探す羽目になる。
しかしナンダーラガンダーラは一向に見つからず、亀男による襲撃や、謎のヒーロー・宮沢賢治の登場、NSAに所属するグリーゼの接近など、様々な出来事が古来館で起こっていく。その中で遊太はみかたんの正体が、自分がパインという名前だった頃の幼馴染・ちよ子である事を知る。一方、インターネット上にアップロードされた「今年の犠牲者一覧」という動画に記載された名前の人物が、次々と殺されていくという事件が発生する。しかも、その動画には住人の曳尾谷愛の名前まで載っており、彼女も殺害される。それを目撃した遊太は過去に飛び、愛が殺害されるのを回避すべく行動に出る。その甲斐あって愛の死亡は回避されるも、今度は人類滅亡の元凶・小惑星VR1が地球に接近する。
人類保存計画に失敗した宮沢賢治=肉体を乗っ取った犯人である未来の遊太は、現在の遊太に未来を託す。そして、バスジャック事件の日まで遡った遊太は肉体を取り戻し、人類滅亡を回避するべく計画を進めていくが、「許可しない限り歴史を変えてはならない」というチラ之助の掟に突き当たり、歯痒さと焦りに苛まれながら時が過ぎていく。それでも調査を重ねて徐々に核心に迫っていくが、解決を焦るあまり遊太はチラ之助の指示に背き、見逃すべきグリーゼを深追いしてしまう。そこでグリーゼが寺岡の変装であったこと、その寺岡の正体がもう一人の幼馴染・ぐり子であること、そして彼女こそが小惑星落下による人類滅亡を目論む張本人であることを明かされ、遊太は麻酔を打たれる。これにより人類滅亡回避の機を逃した遊太は計画を失敗寸前にまで追い込まれるが、みかたんの言葉で再起し、古来館の住人と協力して応戦。死闘の末、遊太は寺岡と決着をつけ、ピースメイカー作戦によってVR1も破壊された。しかし、2人を止めようとしたみかたんは残りの命を使い果たし、死に瀕する。それを目の当たりにした寺岡は3人で元の身体に戻る事を提案する。過去の出来事により、3人は身体と魂が入れ替わっていたのだ。
(アニメ版)しかし遊太はそれを拒否し、寺岡に「生きて償うべき」と告げ、みかたんに身体を返す。遊太の命と引き換えに人類滅亡とみかたんの死は回避される。
(ゲーム版)3人は身体と魂が元の状態に戻り、寺岡はみかたんの代わりに息を引き取る。人類滅亡は回避され、遊太とみかたんは本来の自分として生きていくのだった。
- ^ 小室がアニメの劇伴を担当するのは2004年の『ゾイドフューザーズ』以来およそ11年ぶり。
- ^ アニメでは最終決戦で突如として加勢したが、ゲームでは決戦前夜の打ち上げで事前に打ち合わせていた。
- ^ ゲーム版ではスッポンと間違えてイシガメを食べた所為で酷い食中毒に見舞われた事が原因だと語られた。
- ^ 遊太としては数回しかユーバ化していないため、すぐに命の危険に晒される事は無くなったが、またユーバ化を繰り返せば元の木阿弥である。しかし本人が「連れていかないとユーバ化する」と自分自身を人質にしている。アニメ版ではこれらへの言及は無い。
- ^ 当初は「雨の日に段ボールに捨てられていたのを拾った」と説明したが、後に「本当は預かったもの」と告白した。
- ^ ゲーム版のイタズラパートでは普通の人間同様に驚くと「ぶっ魂」が出る。
- ^ 情報処理能力と開発技能、人の心を理解する機能を搭載した為、運動能力までは備えられなかった。また、欠点がある事で人間らしくなるという天華の意図もあった。
- ^ ゲーム版では生まれて間もない好奇心旺盛だった頃にチワワに噛まれた事が原因だと明かされた。
- ^ これはQ-may会の計画の要である古来館とムヒを同時に始末することで人類滅亡を阻止する、という友田なりの行動であった。
- ^ 古来館で暮らしているのは、秋奈の話を聞いて自分も古来館に興味を持った為とゲーム版で明かされた
- ^ 当人としては、霊だと思っているものは全て不安や恐怖心の産物であり、自分の仕事はそう言ったものに悩まされる人に安心感を与える事としている。
- ^ アニメ版ではみかたんに、ゲーム版では愛に名付けられた。
- ^ アニメ版では「方舟」と呼ばれるものにW達を乗せて小惑星落下を生き延びようとしていた。ゲーム版では自分達のシェルターを用意している語られる。
- ^ 愛を巻き込まず、爆弾でムヒと古来館のみを排除しようとしていたが、仮に思惑通り進んでも愛がムヒを見捨てるはずが無かったと、後に計画の綻びを認めている。
- ^ アニメ版では言及は無いが、ゲーム版では秋奈を古来館に住まわせる事が天華の遺言の一つだった。
- ^ ハートマークは「だいすき」と読み、通して読むと「しょこたん だいすき でんぱぐみ」。
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