パンクラチオン パンクラチオンの歴史

パンクラチオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 13:54 UTC 版)

パンクラチオンの歴史

古代

古代パンクラチオンは打撃技と組技(グラップリング)を組み合わせた古代ギリシアの格闘技で、試合の勝敗は相手がギブアップすることで決せられた。競技者は腕を上げることでギブアップしたことを示すことができたが、多くの場合ギブアップは一方の競技者の死亡を意味した。ルールは“目潰しと噛み付きの禁止”の2つのみで、指や骨を折る行為も許されていた。

この時期にはすでにスポーツ競技となっていたが、競技者達によって多彩な技が開発され、師範(サスカーロス)から弟子(パンクレイティスト)へと何世代にもわたって受け継がれていた[1]。また、呼吸法を身に着け、打撃力を増強するために東洋武術のに似た「ピリクス」という稽古法が存在していた[1]

紀元前648年に古代オリンピックに導入されてからは、若者も参加できる、より安全な競技となった。泥土か砂地にて勝敗を争い、日没までに勝者が決まらなかった場合には、互いに顔面を順番に殴り合う(避けてはならない)ことで決したと言われる。

現代

1999年、古代ギリシャゆかりの2004年アテネオリンピック公開競技として採用されることをめざし、ギリシアで「International Federation of Pankration Athlima(国際パンクラチオン連盟、国際パンクラチオン・アスリーマ連盟。略称IFPA)」が結成された。しかし、アテネオリンピックだけでなく、それ以降のオリンピックでも採用されないまま現在に至っている。オリンピックの下部にあたる地域大会では、正式種目となっている。

現代では統一されたユニフォーム(道着)の着用が義務づけられた着衣総合格闘技で、ユニフォームは古代オリンピックで審判団が着用していた古代ギリシャの民族衣装エンディマをもとにしており、柔道国際戦のように片方が青色、もう片方が白色となっている。

世界レスリング連合が主催するパンクラチオン世界選手権はこの形式で行われている。


  1. ^ a b クルデリ(2010):276ページ


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