ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 概要

ソロモン・R・グッゲンハイム美術館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 04:18 UTC 版)

概要

アメリカの鉱山王・ソロモン・R・グッゲンハイム1861年 - 1949年)は、ビジネスの第一線から退いたあと、ドイツ貴族で画家のヒラ・ヴォン・リベイの協力のもと、現代アートのコレクションを始めた。それらを収蔵したこの美術館は1937年に財団として設立され、2年後の1939年、ニューヨークのマンハッタン東54丁目24番地に開館した。5番街の現在地へ移ったのは、1949年のことである。以後、ニューヨーク近代美術館とともに現代美術の発展普及に大きな役割を果たしてきた。

現在の美術館は1943年フランク・ロイド・ライトに建築設計が委託され[3]、ライトは翌年には建築設計案を作成したが、工事に取り掛かるまでには紆余曲折があり、創立者のグッゲンハイムは没年の1949年になってようやくライトの設計案を承認した。それから建物の竣工までにはさらに10年間の歳月を要した。完工したのは1959年、ライトの死後半年後のことであった。(ここまで時間がかかった原因の一つに、この前例のない特徴的な建築物に対し、ニューヨーク市当局が建築基準法に触れる為に許可を出すのを渋った事情からともいわれている。)

「かたつむりの殻」とよく形容される螺旋状の構造をもったこの建築物は、中央部が巨大な吹き抜けになっている。見学者は、まずエレベーターで建物の最上部に上がり、螺旋状の通路の壁面に掛けられた作品を見ながら順路を進むうちに自然に階下へ降りるようになっている。美術館施設の概念を根本から覆した作品として、ライトの代表作に数えられている一方で、建築自体の自己主張が大きすぎ、床が傾斜しているため鑑賞者が落ち着かず、美術品の鑑賞をさまたげるという批判もある。


  1. ^ a b The Art Newspaper Ranking VISITOR FIGURES 2016” (PDF). The Art Newspaper. 2016年10月18日閲覧。
  2. ^ National Park Service (13 March 2009). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service. 2020年10月12日閲覧
  3. ^ 『建築がすごい世界の美術館』パイインターナショナル、2015年、121頁。ISBN 978-4-7562-4592-2 
  4. ^ Susan Shineberg (2007年11月10日). “Wall-to-wall culture”. The Age. http://www.theage.com.au/news/arts/walltowall-culture/2007/11/09/1194329483873.html?page=fullpage#contentSwap2 2007年12月10日閲覧。 






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」の関連用語

ソロモン・R・グッゲンハイム美術館のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ソロモン・R・グッゲンハイム美術館のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのソロモン・R・グッゲンハイム美術館 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS