ストライクダガー
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ダガーL
ダガーL DAGGER L[41] | |
---|---|
型式番号 | GAT-02L2 |
全高 | 18.40m |
重量 | 55.05t |
動力源 | バッテリー[54] |
武装 | M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×4 M703k ビームカービン ES04B ビームサーベル×2 Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾×2 Mk39 低反動砲 対ビームシールド 各種ストライカーパック武装 |
搭乗者 | ミラー ジョーン |
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』から登場。C.E.73年時における地球連合軍の主力機[55][注 16]。
ストライカーパックシステム対応機でありパック換装によって様々な戦況に対応可能。原型機の一つのストライクダガーからそれほどの性能向上はなされておらず[56]1本のみの頭部アンテナや各部アーマーの形状など、外観はストライクダガーに近い。もう一つの原型機の105ダガーに採用された胴体部ラミネート装甲の撤廃[41]や一部装甲の削減など、随所にコストダウンが行われた、105ダガーに近い性能を有しつつもストライクダガーに匹敵する生産性を両立させた機体である[58]。
一方で武装面においては105ダガーよりも強化され[57]ビームライフルよりもエネルギー消費率の少ないビームカービンや、スティレット、2本のビームサーベルを採用。集団戦闘を想定し性能を上回る敵機に対抗する運用を主眼としている[41]。
本機は第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の時点でかなりの数が量産され月基地に配備されており、核攻撃後のプラント制圧戦を目的に開発されていた。しかし、緒戦で核攻撃が防がれたことと、ジェネシス発射により大被害を受けたことでザフトによる反攻を恐れた地球連合軍上層部はダガーLを地球に強制的に帰還させ、本機の実戦参加は延期される[23][注 17]。後に同じくストライカーパックシステムを採用した次世代型主力機GAT-04 ウィンダムの配備が本格化したことで旧世代の機体と化していく[59]。
武装(ダガーL)
- M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器
- 頭部と胸部に各2門ずつ設置される近接防御火器[41]。イーゲルシュテルンに小口径化に伴うスペースの余裕から装弾数が増加して、より対人・対車両用の趣きが強くなったモデルである[60]。トーデスシュレッケンとは、ドイツ語で「死の恐怖」の意味。
- M703k ビームカービン
- 従来のビームライフルよりも小型。威力速射性に重点を置いた装備である[41]。
- ES04B ビームサーベル
- 両腰アーマーにマウントされているビームサーベル。なお、両腰のアーマーは内部のスティレットを含めてウィンダムと同一の装備。
- Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾
- 両腰アーマー内に格納される投擲用の短剣。投擲後はロケット推進によって目標に到達し装甲を貫徹、内部で炸裂しダメージを与える[41]。
- Mk39 低反動砲
- MSの全高に匹敵するサイズの肩掛け式携帯火砲。ザフトのジンが装備する無反動砲より大型。劇中ではダークダガーLがアーモリーワンの宇宙港を攻撃するのに用いられるほか、通常型のダガーLにも装備されている。弾種は不明。
ダークダガーL
漆黒に塗装されたダガーL。アーモリーワンでのガンダム強奪作戦の陽動で港に停泊するザフト艦の攻撃に使用された。通常のダガーLにステルス機能を追加しているが、これは宇宙空間での視認性を抑える処置であるため[61]、ミラージュコロイドなどの本格的なステルス機能は装備されていない[56]。劇中ではMk39 低反動砲を装備したファントムペイン専用機として登場。
劇中での活躍(ダガーL)
『SEED DESTINY』第2話にてファントムペイン所属艦ガーティ・ルーの艦載機として初登場。奇襲とはいえ少数機でアーモリーワンより迎撃に出たザフトのMS部隊を圧倒、ダークダガーLは同コロニーの宇宙港を壊滅させるなど、セカンドステージシリーズ奪取に貢献。4話ではミラーとジョーンが乗るダガーLがミネルバを追い詰めるが、こちらはレイのブレイズザクファントムに撃破される。9話の開戦時の「フォックストロット・ノベンバー」では地球軍アルザッヘル月艦隊の主力を務め、物量を活かした戦術でザフト主力部隊と互角の戦闘を繰り広げる。ほかに第18話ではガルナハン基地所属機がインパルスのビームライフルを破壊するシーンがある。他にも地上の第81独立機動群旗艦ジョン・ポール・ジョーンズ所属機やベルリン戦でのボナパルト所属機、ヘブンスベース所属機など各戦線で使用されるが、物語後半のアルザッヘル・ダイダロス攻防戦では姿が確認できない。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS 選ばれた未来』では、デスティニープランに反対したオーブ軍のM1アストレイやムラサメと共闘する本機の姿が登場する。
漫画作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』では、南アメリカ独立戦争編にて登場。
『SEED DESTINY MSV』では、ユニウス条約調印式の際に連合側の機体として随行していた[62]。
注釈
- ^ 一方で、機体の傾向としてはデュエルに近似するとした資料もみられる[4]。
- ^ 『SEED』本編におけるアークエンジェルのオーブ入港とほどなくストライクダガーの量産が行われたとする資料もみられる[5]。
- ^ このため、パナマ攻略戦においてはグングニールのEMPを受け敗北を喫している[2]。ただし、同戦闘においてザフト機がグングニールの影響を受けなかったように、相応の対EMP装備が施されていれば防護は可能である[8]。なお、105ダガーにおいては十分な対EMP装備がなされているが、パナマ防衛戦に参加する事は無かった[8]。
- ^ ザフトのジンと互角とした資料もみられる[10]。
- ^ 作中においてダガー系MSのカメラアイの描写が確認できるのは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第2話のダガーLが初出となる。『機動戦士ガンダムSEED』HDリマスター版37話ではストライクダガーの頭部にカメラアイらしきパーツが確認できる。
- ^ 『ガンダムSEED』シリーズにおいて設定を担当した下村敬治は書籍記事において、地球連合におけるナチュラル用OS開発の折にはアークエンジェルがアラスカ基地で提出したデータのほか、連合に在籍するコーディネイター捕虜の協力や、オーブでのナチュラル用OSの開発情報を入手するなどの手段がとられたとの見解を示している[12]。また、オーブから連合へ流入した技術者の手によってナチュラル用OSや後期GAT-Xなどの連合製MSが完成にこぎつけたとする媒体もみられる[13]。
- ^ OSのプログラム複雑化はコンピューター処理速度の低下を招くため、ナチュラル用OSにおいては最低限の動作プログラムを用いている。故に戦闘パターンは単純化しているものの、集団戦闘によってこれを補ったとした資料もみられる[15]。
- ^ 劇中未使用。ただし、一部のゲーム作品ではグレネードが使用可能なストライクダガーが存在する。ちなみに、このグレネードはストライクダガーの公式設定画に描かれている。
- ^ 耐ビームコーティングが施されたシールドとする資料もみられる[11]。
- ^ ソキウス、ジャン・キャリーなど。
- ^ この際の模擬戦はナチュラル用OSやブーステッドマンの導入によって不要化したソキウスの処分を兼ねていた。しかし、戦闘中にブーステッドマンの不完全さを知ったソキウスはそれにナチュラルを守る力がないと判断し、実力を証明するために強力なコーディネイターと戦うため脱走した[28]。
- ^ その後、漫画作品『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』にて、ナチュラル用OSの実用化からジャンのような連合内のコーディネイターは不要となり、軍を追われている。
- ^ HG105ダガー+ガンバレルの説明書(2004年9月発売)には本装備がM703 57mmビームライフルとキャプションのミスがなされている。後にHGスローターダガー(2006年8月発売)では本装備と外観を共通化しつつビーム兵器を実装したMX703G ビームライフルが開発されたという新たな設定が起こされた。
- ^ この際、バスターダガー用として設計されていたパックを「バスターストライカー」と記述する資料も見られる[23]。後に「ライブラリアン」が開発した「バスターストライカー」との関連は不明。
- ^ 型式番号のSOは「エスオー」で「Special Operation」特殊作戦の略[49]。
- ^ 設定面は資料によって一定ではなく、ストライクダガーのマイナーチェンジバージョンとしてストライカーパックに対応した[56]、ストライクダガー、105ダガーの後継機とした資料[57]、105ダガーの基本構造を踏襲しつつも、部分的にストライクダガーの簡略化を取り入れて生産性を向上させたとするものもみられる[55]。
- ^ ヤキン・ドゥーエ戦直後の制圧戦を想定して量産化されていたとする資料もみられる[58]。
- ^ 型番のQは「Quadruped」(英語で四足獣の意味)の頭文字[64]。
- ^ 一方で、『機動戦士ガンダムSEED』の世界観では、高度な合理化が進んだ事や、プラントがかつて地上に工業製品を輸出していた背景から、ザフトと地球連合の機体で工業規格の基本は共通という説明も存在する[65]。
- ^ 模型誌作例においては交換用のブレードヘッドも製作された。ブレード部はIWSP用のビームブーメランからの流用である[64]。
出典
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