ケープカナベラル宇宙軍施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/25 07:51 UTC 版)
歴史
1949年にハリー・S・トルーマン大統領が、当時ケープカナベラルにあったアメリカ海軍の航空基地に隣接して長距離ミサイルの発射実験用の統合長射程試験基地を設置したのに始まる。この地がロケットの射場に選ばれた理由には、アメリカ合衆国内でも赤道に近いために地球の自転速度が有効に利用できることや、自転速度を利用するために東に向かってロケットを打ち上げる場合に、東に大西洋が開けていることで切り離されたロケット部品の落下や事故による被害が小さくて済むこと、などが挙げられる。その後、基地は空軍に移管され、1951年にはアメリカ空軍のミサイル・テストセンターが設置されて、ケープカナベラル空軍基地となる。
最初のロケットの発射は1949年になされた。ソビエト連邦のスプートニク1号の成功の後、1957年12月にアメリカ最初の海軍の軌道衛星打ち上げロケットのヴァンガードが、実験されたが失敗した。1958年にNASAが設立され、ケープカナベラルが主要な発射基地になると、アメリカのミサイル発射実験や初期の弾道ロケットの打ち上げの多くはここで行われるようになった。
宇宙開発競争が活発になるとともに基地は拡張され、1960年代には大型ロケット打上げ施設のLC40やLC41が建設されると共に、隣接するケネディ宇宙センターも整備拡張された。なお、ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺後に、ケープカナベラルの地名もケープケネディと改名されたが、地元住民がケープカナベラルの名を惜しんだこともあって、これは1973年にもとに戻された。現在は主に、NASAのほか、軍用の使い捨て型ロケットの発射場として使用されている。
- ^ “Cape Canaveral AFS Skid Strip (KXMR)”. Federal Aviation Administration (2019年9月12日). 2019年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月14日閲覧。
- ^ “ボーイングのスターライナー宇宙船、無人飛行試験を7月31日に実施へ 打ち上げ準備進む”. sorae (2021年7月28日). 2021年10月9日閲覧。
- ^ “Patrick AFB, Cape Canaveral AFS renamed as Space Force installations”. Space Launch Delta 45 (2020年12月9日). 2021年10月9日閲覧。
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