エール (ビール)
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他のエール
ベルギー・エール
ベルギーでは様々な特産のエールが生産され、簡単に分類することは困難である。多種の色の薄いエールの生産に加え、全てのトラピストビールとアビィビールのほとんどがエールである。ベルギー・エールの多くはアルコール度数が高いが、蔗糖を多く含むため軽やかで、基本的に自然な風味を保ちアルコール度数を高めている。
トラピストビールは修道院で醸造される。世界中の171のトラピスト修道院のうち7箇所のみがビールを醸造し、その6つがベルギーにあり、もう1箇所はオランダにある。アビィビールは民間醸造所が修道院の名を使用して醸造するが、存在しない修道院も多く、名前を醸造所に認可する場合もある。
ジャーマン・エール
ジャーマンエールは、比較的低温で発酵する傾向があり、麦汁生成の相違によりイギリスやベルギーのエールよりコクがある。伝統的なドイツの麦芽糖化手法により多くのオリゴ糖が生成され、ビールのボディーを生成する。ケルンのペール・エール、ケルシュとアルトビール(デュッセルドルフが有名であるがドイツ西部の他の地域でも生産される)が最も知られている。ヘーフェヴァイツェンやベルリナー・ヴァイス (Berliner Weisse) といった小麦ビールは製法はエールであるが、異なる風味を持つ。特にヘーフェヴァイツェンはバナナに似たエステルの風味が特徴である。
クリーム・エール
クリーム・エールはアメリカンスタイル・ラガーと関連する。一般に軽く爽やかな風味に醸造され、淡い黄色から淡い金色である。ホップと麦芽の風味は通常抑えられるが、幾つかの醸造所はより積極的な特徴を与える。ジェネシー・クリームエールとリトルキング・クリームエールが例である。クリーム・エールは上面発酵であるが、一次発酵が完了した後、通常冷蔵保存または貯蔵期間を持つ。これによりフルーティーなエステルを減らし、爽やかな風味をビールに与える。ある例では冷蔵保存段階でラガー酵母が加えられ、ラガービールとブレンドされることさえある。ボディと風味を軽くするため、トウモロコシ粉や米などが加えられるが、麦芽 100% の例もある。
- ^ a b 有村治彦、「ビール酵母」 『日本醸造協会誌』 2000年 95巻 11号 p. 91-802, doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.95.791
- ^ 近藤平人、「ビール発酵と発泡酒発酵における酵母の応答と香味形成」 『日本醸造協会誌』 2005年 100巻 11号 p.787-795, doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.100.787, 日本醸造協会
- ^ 『茶の世界史』
- ^ “Bid to make ales 'women-friendly'”. BBC NEWS (BBC). (2007年8月7日) 2022年10月21日閲覧。
- ^ "Q. I've noticed a change in Pete's Wicked Ale. Did you change the recipe?", PETE'S WICKED FAQ, en:Pete's Brewing Company.
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