イエロー・ジャーナリズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 15:10 UTC 版)
主な特徴
歴史家のフランク・ルーサー・モットは1941年に以下の5つをイエロージャーナリズムの特徴として挙げている[1]。
- 赤や黒の大きな活字で人を驚かせるような見出しをつける。大したニュースでもないことが多いため、全体として嘘臭い構成になる。
- 絵や写真を多用するが、その多くはどうでもいいようなもので、盗用や捏造も見られる。
- あらゆる種類の詐欺的行為が行なわれている。たとえば、インタビューやストーリーの捏造、誤解を招く見出し、エセ科学など。
- 日曜版には、カラーの漫画や中身の薄い記事が掲載された付録がつく。
- 弱い者の味方であるかのように振る舞う。
NYワールド紙 vs NYジャーナル紙
扇情的な通俗記事や娯楽記事の掲載でピューリッツァーがニューヨーク・ワールド紙の部数を飛躍的に伸ばしたことを見て、ハーストも同種のニューヨーク・ジャーナル紙の発行を始めた。ジャーナル紙はワールド紙の半額で、よりセンセーショナルな記事を満載して部数を伸ばした。両紙による読者獲得のための熾烈な競争が始まり、1896年に、ハーストはワールド紙のスタッフをごっそり引き抜いた。ワールド紙日曜版の人気漫画イエロー・キッドの作者も引き抜き、臆面もなくジャーナル紙でイエロー・キッドを連載させた。ピューリッツァーも別の漫画家を雇い、イエロー・キッドの連載を続けて対抗した。このことから、両紙は「イエロー・キッド新聞」と揶揄され、ここからイエロー・ジャーナリズムという言葉が生まれた。ニューヨークでのこの販売競争はアメリカ各地の新聞社にも飛び火し、扇情的なイエロージャーナリズムはまたたく間に全米に広まった。
脚注
- ^ Mott, Frank Luther (1941). American Journalism. pp. 539
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