アーラン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 10:17 UTC 版)
拡張アーランB式
拡張アーランB式はほとんどアーランB式と同じであるが、ブロックされたトラヒックのうち一定割合が再度要求を発する可能性があるという仮定を加えている。
アーランC式
アーランC式は、要求トラヒックが待ち行列に並ぶ確率を計算するものである。この式は、ブロックされた要求が消失せず、受け付けられるまでシステム内で待ち続けるという仮定をおいている。この式はコールセンターの人員配置問題などに適用可能である。というのも、コールセンターにかかってきた通話がすぐに処理されない場合、その通話は待ち行列に並ぶことになるからである。この式を用いることで、コールセンターに受付や顧客サービス担当者が何人必要かといった計算が可能になる。以下がアーランC式である。
ここで A はアーランで表された要求トラヒック量、N は窓口(オペレータ)の数、P(>0) は受付開始までの遅延が0より大きい確率(待ち確率)である。
アーランC式はいわゆる待時系の待ち行列システムを想定しているため、非リアルタイム性を持つインターネットのようなパケット交換網に適用可能である。パケット伝送においては一般に遅延が認められるため、ルータなどにバッファを設けることができる。バッファはデータトラヒックを一定期間溜めておくことで、損失を避ける。
エングセットの公式
エングセットの公式(ノルウェーの電話技師トーレ・エングセットにちなむ)では、アーラン式が無限大の要求発生源を仮定していたのに対して、いわゆる有限呼源(要求を受け付けている間は新たな要求の発生源が減少するため、トラヒックが減少するようなモデル)を仮定している。
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