アーラン アーランの概要

アーラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 10:17 UTC 版)

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アーラン
erlang
記号 E, el, erl
アーラン値(1時間で平均した資源利用率)
SI 1
語源 アグナー・アーラン
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概要

トラヒックの計算において、1アーランは1つの資源を継続的に利用している(または2つの資源を50%の頻度で利用している、などの)状況を意味している。

例1
銀行に2台のATMが存在して、その両方が常に利用されている状態にあるならば、それは2アーランのトラヒックが存在していることを表している。
例2
1時間(60分)に、2分間の電話対応が1000回ある場合、以下のようになる。

アーランで表されるトラヒックは、システムの資源に過不足が無いかどうかを決定するために用いられる。T1回線やE1回線においては、長時間に渡って計測されたトラヒックを用いて、ピーク時間においてどれだけの音声回線が利用されているかを決定するのに用いられる。例えば、ある任意の時間帯において24チャネル中の12チャネルしか使われていないのならば、残りの12チャネルをデータ回線に用いることが可能になる。

また、アーランで表されたトラヒックは、GOS(Grade of Service)やQoS(Quality of Service)に関する値を計算するためにも用いられる。

アーランに関する公式には、アーランB式、拡張アーランB式、アーランC式やエングセットの公式など様々なものがある。

アーランB式

アーランB式は、呼損系(損失系、即時系、ロスシステムとも呼ばれる)におけるブロック確率を求めるために用いられる。 呼損系において資源の利用要求が発生した際に、システム側が要求をすぐに受け入れられない場合、その要求は中止(ブロック)されたことになる。 このようなシステムでは、要求が待ち行列に並ぶことはない。 アーランB式では、ブロックされたトラヒックはすぐに抹消されると仮定している。 アーランB式は以下の漸化式で与えられる。

ここで、r は資源の数(窓口数や回線数など)、t はアーランで表された要求トラヒック量を表し、Ebは与えられた r および t に対するブロック確率(呼損率)である。

アーランB式は呼損系のために作られた式であり、トラヒックを溜めておかないというリアルタイム性を持つ固定電話や携帯電話に対して適用可能である。




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