肉盛り溶射
溶射は耐摩耗性や耐食性などの向上を目的に金属または金属化合物の微粉末をガスやアークで加熱し、半溶融状態として基材に吹き付けて密着被覆する方法。母材を溶かし込む溶接とは異なる。溶射は基材や溶射材料の選択幅が広く、目的に合わせて2層以上の多層に異なった皮膜を形成することも可能である。よくみられるのは、鉄鋼構造物(橋梁や建築物など)に溶射で防食皮膜を形成し、その多孔質皮膜への水溶液などの侵入を防ぐため、その上に着色した封孔材を吹き付けて、防食と景観にも寄与する手法である。また摩耗により廃品となる部品の修理更生および最初から機械部品の表面に、これらの性能を有する金属を必要な厚さに溶射するのが肉盛り溶射である。
溶射
(thermal spraying から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 07:23 UTC 版)
溶射(ようしゃ、Thermal spraying)とは、加熱することで溶融またはそれに近い状態にした粒子を、物体表面に吹き付けて皮膜を形成する表面処理法の一種である。吹き付けられる物質は「溶射材」と、被施工物は「基材」と呼ばれる[1]。
- ^ 日本溶射協会編、『溶射技術入門』、2006年8月1日初版1刷発行、ISBN 4-9903127-0-8
- ^ 仁平宣弘著、『表面処理の本』、日刊工業新聞社、2009年8月30日初版1刷発行、ISBN 9784526063138
- ^ “技術・ソリューション | 株式会社 富士技建”. www.fuji-giken.co.jp. 2021年12月25日閲覧。
- ^ 高速フレーム溶射は本来フレーム溶射の一種であるが、特徴がかなり異なることから、別扱いになっている。
- ^ “溶融アルミニウムめっきの東海アルマ工業 技術紹介”. www.t-aluma.com. 2021年12月25日閲覧。
- ^ “技術・ソリューション | 株式会社 富士技建”. www.fuji-giken.co.jp. 2021年12月25日閲覧。
- ^ 溶射. 48.2.(2011). 72
- ^ 加瀬勉 『腐蝕と防蝕法』p.269-p.277 大倉書店、1929年。
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