lh-rhアゴニスト、lh-rh作用物質
LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:00 UTC 版)
「前立腺癌」の記事における「LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニスト」の解説
LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストとは、脳の下垂体に作用してLH(黄体化ホルモン)およびテストステロンという男性ホルモンの分泌を抑えて癌の進行を阻害する薬剤の事である。通常、脳の視床下部で作られるLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)とは、下垂体にLHを作るように指令を出しており、LHは精巣にテストステロンを作るように働きかけるので、それにより前立腺癌の細胞が増殖する事になる。LH-RHアゴニストはLH-RHと構造が似ている薬で、継続的に用いると下垂体が常に刺激された状態になりLHを放出し続ける。そのため、治療開始後から約4日間はLHの分泌量が一時的に増加し、テストステロンの分泌量も増加する(フレアアップ現象)。だが、その後はLHが枯渇したような状態になり、精巣が刺激されなくなり、結果として精巣でのテストステロン生成が止まり、癌細胞の増殖が抑えられる。 LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストのメリット 外科的去勢術(両側精巣摘除術)と違って心理的ダメージを受けることがなく、手術のように痛みを伴わず、外来治療のみで簡単な事がメリットで、近年はこの治療方法が選択されることが多い。 LH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストのデメリット 外来治療のため定期的な通院が必要であり、さらにそれに伴う経済的負担も大きい事がデメリットである。治療効果としても外科的去勢術(両側精巣摘除術)とLH-RH(黄体化ホルモン放出ホルモン)アゴニストは同等であり、経済的、心理的、肉体的負担など多方面からどちらを選択するか慎重に検討することが必要である。薬剤の副作用により高血糖が生じ糖尿病と糖尿病に伴う糖尿病性神経障害の発症例が報告されている。
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