ROMイメージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:27 UTC 版)
「エミュレータ (コンピュータ)」の記事における「ROMイメージ」の解説
ゲームエミュレータは、いわばゲーム機本体であるといえる。従ってゲームソフトを別に用意する必要がある。ゲームソフトといっても、デジタルデータであり、これが俗称でROMイメージなどと呼ばれる。エミュレータは、このROMイメージの内容をロードして再生することで、初めて動作する。CD-ROMやDVD-ROMといった汎用メディアを採用したソフトウェアである場合は、直接ロード可能な場合もあるが、それ以外の場合は実物のゲームソフトからコピーしてパソコン上にROMイメージを作り出す必要がある。 業務用ゲーム機などの場合、基板から外したROMのIC単体でROMリーダ/ライタを使って読み出す。家庭用ゲーム機と供給方式が似ている場合も、同様の手段でデータを読み出す。 一般的なパソコンで利用できないメディアを採用したソフトウェアのROMイメージを作り出す場合には、作り出したいROMイメージのソフトと、パソコンがROMイメージを読み込めるようにする機器が必要である。メディアをパソコン上で読み込めるようにする手法と、パソコンへ転送する機器を用いて実機上でメディアを読み出す手法がある。この2つは違法性がないとされている手法だが、さすがに必要な機器は堂々とは売られておらず、インターネット通販や、アンダーグラウンドな製品を扱っている店舗(秋葉原や日本橋に多く、機器は全て輸入品)で販売されるのが一般的である。 このような吸い出し行為は昔はOKだったが、2012年の著作権法の改正により、私的複製に於ても技術的保護手段(いわゆるコピープロテクト)を解除することは違法になった。ただしこの改正自体は主にDVDやブルーレイディスクの映像ソフトのコピーを念頭に置いたものであり、ゲームソフトに関しては明確な見解は出されていない。コピープロテクトのかかっていないソフトの私的複製は依然として合法である。 詳しくは後述するが、こうしてコピーされたゲームデータのイメージがインターネット上で違法に配布されているという事例は後を絶たず、著作権者や管理団体の頭痛のタネとなっている。
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