FB-111A
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:25 UTC 版)
「F-111 (航空機)」の記事における「FB-111A」の解説
1960年代 - 1970年代、ソビエト連邦の防空網は発達してきており、それ以前に構想されたような高空侵攻を行えば、レーダーに発見され地対空ミサイルや戦闘機の餌食となるのは明らかであった。そのため戦略航空軍団では、レーダーに捕捉されない地表すれすれの低空を飛行させて敵地に侵入し、攻撃を行うことを考えた。 しかし当時使用されていた戦略爆撃機は、いずれもそのような使用方法を想定したものではなかったため、性能的には不十分であった。そこで戦略航空軍団では、地形追従レーダーを装備し低空侵攻能力に長けたF-111の戦略爆撃機仕様を開発し、運用することを計画した。F-111Aからの主な改修点は主翼とエンジンで、主翼は航続距離延伸のためにF-111Bで使用されていた長い主翼を装備し、エンジンはTF-30-P-7に換装された。 この計画に対し1966年には開発予算が認められ、マクナマラの推奨により210機の大量生産が決定されたが、後にB-1Aの開発が決定されたため、FB-111Aはそれまでのつなぎの機体とされてしまい、76機に削られてしまった。しかしそのB-1Aの開発がカーター大統領の命令により中止となったため、ジェネラル・ダイナミクスは代替機としてFB-111Aの改良型のFB-111B/C/Gなどを提案してアプローチするが、採用に至らなかった。次代のレーガン大統領によりアメリカが軍拡路線に転ずると、再び戦略爆撃機開発の機運が高まり、ジェネラル・ダイナミクスは再度のプランとしてFB-111H(後述)を提案したが、B-1Bとの競争に敗れ、採用に至らなかった。 FB-111Aの主な核装備は射程最大220 kmの空対地ミサイルAGM-69A SRAM(威力170~200キロトン)、無誘導核爆弾の B43 (70 - 1,450キロトン)、B61(100 - 500キロトン)のいずれか6発でウェポンベイに2発、翼下に4発装備する。場合によっては翼下に燃料タンクを装備し核兵器はウェポンベイのみに装備することもある。またB28 、B57 、B83なども装備可能である。 1991年にFB-111Aは戦略任務から引退したが、76機のうち30機は戦略爆撃用の装備を撤去し、F-111Gとして再配備された。
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