EDSACとは? わかりやすく解説

EDSAC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 19:45 UTC 版)

EDSAC(エドサック、Electronic Delay Storage Automatic Calculator[※ 1])は、初期のイギリスコンピュータのひとつ[1]。このマシンはジョン・フォン・ノイマンがまとめたEDVACについてのレポート(EDVACに関する報告書の第一草稿)に刺激され、モーリス・ウィルクスケンブリッジ大学の数学研究所英語版のチームが開発した。EDSACは、世界初の実用的なプログラム内蔵方式電子計算機であるが、プログラム内蔵方式の世界初の稼働したマシンではない[※ 2]


  1. ^ "delay storage" は使用している遅延記憶装置を指している
  2. ^ Manchester Mark IプロトタイプであるBabyの方が早い。ただし Baby はウィリアムス管の評価用に製作されており、実用的ではなかった。A brief informal history of the Computer Laboratory を参照。マンチェスター大学では1949年4月から Manchester Mark I が稼働しはじめているが、完成したのは少し後である。
  3. ^ 指定されたメモリワードと乗算器用レジスタの内容にビット単位のANDを施し、結果をアキュムレータに格納する命令
  4. ^ ストア命令に、単にストアする命令と、ストアに引き続きアキュムレータをゼロクリアする命令の2種類があり、その後者を使う、ということ。
  5. ^ 当時の資料映像に、1976年にウィルクスが解説を付けた動画( (79) EDSAC 1951 - YouTube )にプログラミングの光景がある。4分から5分のあたりで設計、5分から5分30秒のあたりでコーディング、5分30秒から先のあたりで、紙テープへのパンチングと、該当するサブルーチンの編集等の作業が見られる。
  1. ^ Wilkes, W. V.; Renwick, W. (1950). “The EDSAC (Electronic delay storage automatic calculator)”. Math. Comp. 4: 61-65. http://www.ams.org/journals/mcom/1950-04-030/S0025-5718-1950-0037589-7/. 
  2. ^ “Pioneer computer to be rebuilt”. Cam 62: 5. (Lent 2011). 
  3. ^ Martin Richards. “EDSAC Initial Orders and Squares Program”. University of Cambridge, Computer Laboratory. 2013年2月20日閲覧。
  4. ^ Professor David Barron, Emeritus Professor of the University of Southampton at a Cambridge Computer Lab seminar to mark the 60th anniversary May 6th 2009.
  5. ^ Gene Frequencies in a Cline Determined by Selection and Diffusion, R. A. Fisher, Biometrics, Vol. 6, No. 4 (Dec., 1950), pp. 353-361
  6. ^ Caldwell - largest known primes by year One reference gives Miller, J. C. P. "Larger Prime Numbers" (1951) Nature 168(4280):838, ただし こちらには言及がない。
  7. ^ Ward, Mark (2011年1月13日). “Pioneering Edsac computer to be built at Bletchley Park”. BBC News. 2011年1月13日閲覧。
  8. ^ Todd, John (1952). “Review: The Preparation of Programs for an Electronic Digital Computer, by M. V. Wilkes, D. Wheeler, and S. Gill”. Bull. Amer. Math. Soc. 58 (2): 276-278. http://www.ams.org/journals/bull/1952-58-02/S0002-9904-1952-09610-5/. 


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モーリス・ウィルクス」の記事における「EDSAC」の解説

詳細は「EDSAC」を参照 研究所自己資金持っていたので、すぐに実用的なコンピュータ「EDSAC」の開発取り掛かった。より高速コンピュータ作ることよりも、大学即座に使えるものを作ることを目標としていた。EDSACは、実用的なものとしては世界初プログラム内蔵方式ノイマン型コンピュータとして(実験的な機としてはManchester Babyが少し先に完成している)、1949年稼動開始した。なお、使用され真空管本数などで単純に比較したりすると、EDSACはENIAC等に比較して極端に小規模な計算機見えるかもしれないが、主記憶水銀遅延線使っており、それが論理的にシフトレジスタであることから演算器などが直列方式であることなど、速度最優先ではないこと等による設計上の選択から真空管本数少ないのであって機能的に小規模というわけではない。

※この「EDSAC」の解説は、「モーリス・ウィルクス」の解説の一部です。
「EDSAC」を含む「モーリス・ウィルクス」の記事については、「モーリス・ウィルクス」の概要を参照ください。

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