1996年の火災と再建
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「フェニーチェ劇場」の記事における「1996年の火災と再建」の解説
1996年1月29日、修復工事中のフェニーチェ劇場は再び火災で全焼する。原因は補修作業の遅れにより違約金の支払を求められていた電気工事業者による放火という前代未聞の事態だった。2001年3月には、容疑者である2人の工事業者がそれぞれ禁錮7年と6年の実刑判決を受けた。 予算や再建方法を巡る様々の困難のため、再建工事は2001年になりようやく開始された。特に内装に関しては焼失以前の資料が決定的に不足していたため、焼跡に残されたシャンデリア等の再利用、遺物に基づいての復元、はてはこの劇場が用いられたルキノ・ヴィスコンティ監督の映画作品『夏の嵐』(1954年)の映像を参考にするなどの苦労があったという。こうしてほぼ焼失前の偉容を取り戻したフェニーチェ劇場だが、「内装が以前と比べて明るすぎる」「音響面では劣化した」等、一部には否定的な評論もみられる。 劇場は2003年12月14日、リッカルド・ムーティ指揮によるコンサート形式の演奏会をもって再開場した。最初の曲目はベートーヴェンの序曲「献堂式」Op.124。 音響面の手直しや舞台設備据付の関係でオペラ上演の再開は更にその1年後、2004年11月、演目はかつて当劇場で初演されたヴェルディ『椿姫』。 再建に要した総コストは9000万ユーロという。2001年と2005年の2回、同劇場が来日引越公演を行ったのもその費用捻出の一助となったものとみられる。
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