1つの分子内での遷移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 06:34 UTC 版)
詳細は「分子電子遷移」を参照 π*軌道への遷移 — π*軌道の励起状態が存在する分子は、近赤外、可視光から近紫外光領域にかけて遷移を持つ事から、古くから紫外・可視・近赤外分光法 (UV-Vis-NIR) により観測がなされてきた。π-π*遷移 — 二重結合のπ電子に由来する遷移。アルケンなどで見られ、孤立したC=C結合は190ナノメートル付近に吸収を示すが、共役が伸張すれば、より波長の長い(エネルギーの低い)光でも遷移を起こす。 n-π*遷移 — カルボニル基などの孤立電子対に由来する遷移。ケトンなどで見られ、300ナノメートル付近に吸収を示す。禁制遷移であるため一般に吸光度は小さい。 σ*軌道への遷移 — π*軌道への遷移と同様だが、σ*軌道は一般にエネルギー準位が高いため遷移により高いエネルギーを必要とし、吸収するのは主に紫外光である。σ-σ*遷移 — C−C結合やC−H結合に見られる。吸収するのは約150ナノメートルの光である。 n-σ*遷移 — エーテル、アミン、チオエーテルなどで見られる、孤立電子対のσ*軌道への遷移。190ナノメートル程度の光を吸収して遷移を起こす。
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