魚の背びれ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/29 02:52 UTC 版)
一般の魚類の背びれは、鰭条に支えられた膜状の構造である。その基部は、神経間棘によって支えられている。多くの魚の背びれは1枚ないし2枚である。サケマス類やナマズ類、カラシン類には通常の背びれの後方、尾側に鰭条をもたないひれがあり、このひれを脂びれ(あぶらびれ)と呼ぶ。 脂びれがなく背びれが1枚だけの種類や、2つの背びれを持つ種類、尾びれと繋がった長い背びれを持つ種類や、背びれを持たない種類など分類群によっていろいろある。 速く泳ぐ魚の場合、全身や尾びれがよく使われ、背びれは方向制御や姿勢の安定等の働きを担うが、ゆっくりと泳ぐ魚の場合、背びれを動かすことで推進力をある程度得る場合もある。特に、フグ、カワハギ、タツノオトシゴなどは、背びれと胸びれを波打たせるように使い、これによって推進力を得ている。 このほか、配偶行動として体を広げ、色や模様を示す行動を取るものでは、背びれは重要な役割を担っていることが多い。そのような魚類では、雄の背びれが大きく発達し、特有の模様を持っていることが多い。 このほか、極めて特殊なものとしては、アンコウ類の背びれが捕食のためのおとりとなっている例がある。
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