騎士鉄十字章の制定
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第二次世界大戦が開戦した1939年9月1日に「前大戦で祖国のために戦った人々を記念するため鉄十字章を再制定する」という法令が出された。この法令には総統アドルフ・ヒトラー、内相ヴィルヘルム・フリック、国防軍最高司令部(OKW)総長ヴィルヘルム・カイテル、無任所相オットー・マイスナーの署名がある。 この法令の第1条において1939年版鉄十字章に大十字章(大鉄十字章)、騎士十字章(騎士鉄十字章)、一級鉄十字章、二級鉄十字章の4等級があることが定められた。第2条では鉄十字章は任務遂行の際に大きな成功を収めた者や勇気ある行動を取った者、勇敢な戦闘行為を為した者に授与され、また上位の章を得るには下位の章を得ていなければならない旨が定められた。このように「飛び級」の扱いがなかったため、鉄十字章を持たないが騎士鉄十字章に値する抜群の戦功を挙げた兵士に対して、便宜的に騎士章と共に二級章・一級章が同時に授与されたケースもあった。 最上位の大鉄十字章(鉄十字章の中の大十字章)は空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング国家元帥にしか授与されなかった。そのため実質的には騎士鉄十字章が一般のドイツ軍人が獲得し得る最高の戦功章だった。鉄十字章はナポレオン戦争、普仏戦争、第一次世界大戦に於ても制定されていたが、騎士鉄十字章の種別が設けられたのは第二次世界大戦時のみである。 大鉄十字章と一級鉄十字章の間を埋める勲章という意味ではプロイセン王国が制定したプール・ル・メリット勲章等の将校用軍事功労賞に代わる勲章だったとも言える。
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