音素の認定方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 01:40 UTC 版)
「ミニマル・ペア」も参照 音はさまざまな条件のもとで異なって発音されるが、言語話者によって同じ音だと認識される場合、それぞれの音は音素が同じということになり、それぞれの音はある音素の異音と呼ぶ。ミニマル・ペアを使うことによってその言語がもつ音素の範囲が特定できる。 例えば、日本語の音素/h/は、/a, e, o/の前では無声声門摩擦音[h]であるが、/i/の前では無声硬口蓋摩擦音[ç]、/u/の前では無声両唇摩擦音[ɸ]となる。これらの音はそれぞれ/h/の異音である。 上記の例のような異音は必ず決まった条件のもとで現れ、ある音が現れるときはそこに別の音が現れない。このことを相補分布しているといい、このような異音を条件異音という。またある言語では無気音の[k]と有気音の[kʰ]で意味を弁別して両者は異なる音素として現れるが、日本語では/k/が有気音であっても無気音であっても意味を区別しない。よって[k]と[kʰ]は日本語の音素/k/の異音であるが、その現れる条件は決まっていないので自由異音と呼ばれる。 ただし、ミニマルペアと相補分布だけで音素は判断できず、音声の類似性も重要である。たとえば英語では 音節頭にしかない [h] と音節末にしかない [ŋ] は相補分布しミニマルペアを持たないが、音声に類似がないため同じ音素とはみなされない。
※この「音素の認定方法」の解説は、「音素」の解説の一部です。
「音素の認定方法」を含む「音素」の記事については、「音素」の概要を参照ください。
- 音素の認定方法のページへのリンク