開発の方向性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/20 05:40 UTC 版)
2020年代現在、これらロボットの開発は要救護者の捜索の為のものと、瓦礫撤去など直接的な作業を行う建設機械の延長にある装置に二分される。 探査型ロボットでは、クローラーとも呼ばれる無限軌道を装着したビデオカメラやセンサ類を備えた走行形がメインで、これらは急な段差や瓦礫をものともせずに走破、加えて転倒などの不測の状況にも備えるよう設計されている。現段階ではリモートコントロール(ラジオコントロールを含む)のものが主であるが、将来的には災害現場で自動的に捜索する機能を備えた複数台のロボットが場所のわからない要救護者を発見するものと考えられている。 産業用ラジコンヘリを自動操縦で飛ばす「インテリジェントエアロロボット」のような空中型ロボットは、被災地を上空から捜索、要救護者を探し出したり、あるいは被災状況を観測、救援組織の到着に備えて被災地域の地図作成などを行うことが期待されている。なお通常のヘリコプターでは震災などで劣化した建物の崩壊や火を巻き上げることによる災害拡大の不安もあるが、産業用ラジコンヘリなど無人航空機のような小型機でならより密な観測が可能であるほか、噴火のような危険な場所の観測も人的被害を心配せず行える可能性もある。 建設機械の延長にあるような災害救助ロボットではテムザックの「援竜」が良く知られている。この機器は無限軌道で移動、従来建機では一台で一つの作業しかできなかったものを、2本のアームでより高度な作業が行えることが期待されており、また危険な状況でも遠隔操作で作業が行えるよう設計されている。 このほかパワードスーツ(ロボットスーツ)のように、身体に装着する装置は元来こういった被災地での運用は想定されていないが、多くの被災者が出る災害地域で役立つことが期待されており、また道路が分断され自動車の運用が困難な環境で、徒歩による救援物資輸送の量的な増大も期待できる。
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