閃光現象との関連の可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 14:15 UTC 版)
「GW190521」の記事における「閃光現象との関連の可能性」の解説
GW190521が重力波であると正式に発表される約3ヶ月前の2020年6月に、天文学者は超大質量ブラックホールの近くでGW190521の引き金となった2つのブラックホールの衝突と大まかに関連しているとみられる閃光を観測したと報告した。この閃光はアメリカ、カリフォルニア州のパロマー天文台で行われている掃天観測Zwicky Transient Facility(ZTF)によって検出された。閃光と重力波の2つが実際に関連している場合、この閃光は2つのブラックホールの合体によって発生した小さな光を初めて捉えたものであることが示されている。ブラックホールの合体では、光は通常放出されない。この光が発生した原因として、2つの小さなブラックホールの合体によって形成された中間質量ブラックホールが、近傍にある無関係の超大質量ブラックホールの周囲にある降着円盤を通過して円盤の材料が破壊されたことによって発生した可能性が考えられている。中間質量ブラックホールは200 km/sの速さ、侵入角度約60度で円盤を移動したと推測されている。これが事実ならば、中間質量ブラックホールが再び降着円盤を通過すると考えられる約1.6年後に、その光がまた発生すると予測されている。 この研究チームの主任天文学者である Matthew Graham は「閃光は重力波現象と同じタイミング、同じ場所で発生した。我々の研究では閃光はブラックホールの合体の結果である可能性が高いと結論付けているが、まだ他の可能性を完全に排除することはできない。」と述べている。
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