進化経済学の基礎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:56 UTC 版)
進化経済学は、進化する諸カテゴリーの歴史(ないし博物誌)と経済を進化するシステムと見るときの基礎理論とに二分することができる。進化経済学の基礎が何であるか定説はないが、塩沢由典は、複雑系経済学が進化経済学の基礎であると主張している。経済主体の行動が限定合理性のもとにあるとき、行動の変化は行動パタンの進化という形をとらざるをえないからである。このような経済観にたつとき、資本主義経済の調整は(1)価格調整と(2)数量調整との相対的に独立した2機構によることになる。(1)は現代古典派価値論、(2)は在庫調節による数量調整理論が中核となる。 人工物の進化は、複雑な対象・環境の中で、いかに行動や商品・技術・組織等を構築していくかにある。それは新古典派経済学が典型的に考える最適化とはまったく異なるパラダイムに立たなければならない。Geoffrey Hodgsonは、心理学や人工知能論が、20世紀後半を支配してきた「熟慮パラダイム」deliberative thinking paradigmから遠ざかりつつあると指摘している。
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