軽ボンネットバン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/09 04:48 UTC 版)
軽ボンネットバン(けいボンネットバン)は、1980年代に軽自動車の主流を占めたボディスタイルであり、ハッチバックを備えた2ボックス(あるいは1.5ボックス)スタイルのライトバン(貨物自動車の一種)である。「軽ボンバン」とも略される。
注釈
- ^ 「○○480」または「○○490」(1974年(昭和49年)12月31日までの軽自動車規格車(小板)では「6」または「66」、550 cc以降の2桁では「○○40」)。
- ^ 小型貨物車、普通貨物車の貨物車は1年車検。ただし1983年(昭和58年)に乗用車・軽乗用車の初回車検が3年に延長されたのに対して軽貨物車は2年のまま延長されなかった。
- ^ 教習車専用車種を除く2023年(令和5年)11月現在の時点で個人ユーザーも購入可能な車種の例としては唯一、トヨタ・カローラアクシオEXがこれに該当する。
- ^ 1959年(昭和34年)のコンスタック、1961年(昭和36年)のマツダ・B360バン(後のポーターバン)、同1961年のダイハツ・ハイゼットバン(ただし2代目以降より軽ワンボックスバンに路線変更)やスズキ・スズライトキャリイ(ただし3代目以降より今日のエブリイの源流となる軽ワンボックスバンに路線変更)、1962年(昭和37年)の愛知機械工業コニー・360ライトバンなどがある。
- ^ 1961年の三菱・360バンもこのカテゴリーに含まれるが、三菱・360は先行した軽トラック・バンをベースに初代ミニカ乗用車が開発された経緯を持ち、成り立ちとしてはやや特異な例である。
- ^ 軽トラックシャーシ車がおおむね軽貨物車の法定積載量上限350kgまで搭載可能なのに対し、軽ボンネットバンは通常200kg積載のことが多く、例外があっても250kg積載が実例での上限である。
- ^ ただし、シガーライターやカーラジオは販売店装着オプション(ディーラーオプション)として用意されていた。
- ^ 在来モデルの既存エンジンを前輪駆動横置き向けに小変更したもので、開発コストダウン効果に加え、当時2ストロークエンジン車を多数生産していたスズキ固有のメリットとして、商用車は乗用車より自動車排出ガス規制が緩く、トルクに優れるが排出ガス対策に不利な2ストローク式採用への制約が薄かったという事情もある。
- ^ フロンテは当初から自社開発でなおかつ、新開発の水冷4ストローク・直列3気筒エンジンを搭載した。
- ^ 企画段階で社長の鈴木修は、さらに安い45万円での販売を計画していたが、それではさすがに利益が出ないことが判明し、やむなく47万円で妥協となった。これに際し、日本の自動車業界で初めて「全国統一価格」を打ち出したことも注目すべき販売戦略であった。
- ^ 軽商用車市場での占有比率がもともと大きかった2人乗りの軽トラックに増税の累を及ぼさないためであり、ボンネットバンブームとは無関係である。
- ^ トゥデイは発売開始当初、同社の軽トラック、および軽ワンボックスバンである初代アクティ用の2気筒エンジンを若干設計変更して流用、搭載していた。
- ^ 先述の通り独特の低重心且つスポーティーな意匠を持ったモデルではあったが、実は他社の同種製品同様、意外に低コストな成り立ちといえる。
- ^ その最たる例である競技ベースグレード「アルトワークスR(CM22V)」の場合は緩い排ガス規制基準や簡素なリアシート等によるパワーウェイトレシオの改善という、あくまでホットハッチとしての進化を求めたがゆえの4ナンバー化であった。
- ^ 法律の規格上バンというだけで「あくまでホットハッチ」であったため、バケットシートやスポーツタイプのステアリング、エアロパーツなどが備わっていた。
- ^ 軽ワンボックスにおいては1999年に三菱・ブラボーの後継となる三菱・タウンボックスが乗用(ワゴン)モデルとして発売されるまで全て商用モデルとして発売されていた。
- ^ 2010年2月24日現在の時点において各種減税・補助金などは考慮せずに最も安い軽ボンバンはミニカ・3ドアバン「ライラ」(5MT/2WD、税込58.3万円)であった。
- ^ この頃になると同社の軽乗用車の主力はセミトールワゴンのekシリーズに移行していた
- ^ 尤も、最末期は3ドアモデルはシンプルかつベーシックな「ライラ」、5ドアモデルは乗用モデル(セダン)並みに快適装備を充実させた「ナッティ」とそれぞれ差別化されていた。
- ^ HA36S/VアルトAT車は上級グレードNA車にはCVT、バンを含む廉価グレードとターボ車にはAMTとそれぞれ違う方式のトランスミッションが採用されている。
- ^ AMTはMTをベースに、クラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧式アクチュエーターを搭載し、AT車のように扱うことができるトランスミッションで、スズキではAGS(オートギヤシフト)と呼ばれる。
- ^ レーダーブレーキサポート、ESP、誤発進抑制機能。また本仕様にはABS、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロールも装備される。
- ^ ESP、ABS、ヒルホールドコントロールは2018年(平成30年)4月の仕様変更で標準装備化され、ESPとABSは従来オプションでも設定されていなかったMT車にも標準装備される。
- ^ コストダウン関連でいえばボディ・シャーシの生産コストを下げる見地から、乗用モデルの生産終了後も金型の減価償却が済んだ旧型バンモデルのみを継続生産し(H40系ミニカ)、あるいは生産台数の多い現行乗用モデルとまったく共通の5ドアボディシェルおよびドアを用いる(近年のアルト)などで、生産設備の徹底した有効活用を図る事例が多かった。しかしながら、(派生モデルを除いた無印の)ミラは乗用が5ドア、バンが3ドア(ただし2代目モデルのみ例外的に5ドアも存在)と別々のボディが用意されていた。
出典
- ^ ただし、後述する軽ハイトワゴン型のハイゼットキャディーは例外的に最大積載量が150kgまでとなっていた。
- ^ 同車のOEMであるキャロルは発売当初から乗用モデルのみの設定となっていた。また、かつての同車のOEMであったピノも乗用モデルのみの設定となっていた。
- ^ 現行型となる9代目アルトセダンは「A」がこれに該当する。
- ^ “2023年9月軽四輪車新車販売確報”. 全国軽自動車協会連合会. 2023年11月9日閲覧。
- ^ ジャイロキャノピー:約58万円、ハイゼットトラック/ピクシストラック「スタンダード"エアコン・パワステレス"」:約69万円、アルトバン「VP」:約74万円。各車1万円以下切り上げ、ハイゼットトラック、およびピクシストラック、アルトバンはいずれも2WD/5MT。2019年10月5日、各社公式サイトより。
- ^ “日本から軽ボンネットバンが消えた…スズキ アルトバンが生産終了(ドライバーWeb)”. 株式会社八重洲出版 (2021年10月21日). 2021年11月13日閲覧。
- 1 軽ボンネットバンとは
- 2 軽ボンネットバンの概要
- 3 用途
- 4 歴史
- 5 車種一覧
- 6 脚注
- 軽ボンネットバンのページへのリンク