虚数乗法
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虚数乗法(きょすうじょうほう、英: complex multiplication)とは、通常よりも大きな対称性をもつ楕円曲線の理論のことをいう。別のいいかたをすれば、周期格子 (period lattice) がガウス整数の格子であったり、アイゼンシュタイン整数の格子であったりするような、余剰な対称性を持つ楕円函数の理論である。楕円曲線の高次元化であるアーベル多様体についても同様に大きな対称性をもつ場合があり、これらを扱うのが虚数乗法論である。
- ^ Reid, Constance (1996), Hilbert, Springer, p. 200, ISBN 978-0-387-94674-0
- ^ Silverman (1989) p.102
- ^ Serre (1967) p.295
- ^ Silverman (1986) p.339
- ^ Serre (1967) p.293
- ^ Baker, Alan (1975). Transcendental Number Theory. Cambridge University Press. p. 56. ISBN 0-521-20461-5. Zbl 0297.10013
- 1 虚数乗法とは
- 2 虚数乗法の概要
- 3 クロネッカーとアーベル拡大
- 4 関連項目
虚数乗法
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「アーベル多様体の数論」の記事における「虚数乗法」の解説
ガウス(Carl Friedrich Gauss)の時代以来(彼はレムニスケート函数の場合を知っていた)、余剰な自己同型、もしくはより一般的に自己準同型を持つ A が特別な役目を果たすことが知られていた。環 End(A) のことばで、CM-タイプのアーベル多様体は多くのアーベル多様体の種類の中より抽出された。CM-タイプのアーベル多様体はその数論では特別な位置をもち、それらの L-函数は、より一般的な保型表現を必要とするというよりも、調和解析の必要としているポントリャーギン双対の全てというほうがむしろ好ましい。このことは、ガロア加群としてのテイト加群の理解を反映している。このことは、予想されている代数幾何学(ホッジ予想、テイト予想)のことばを、一層難しくしている。これらの問題は、特別な状況を一層一般的な状況を求めている。 楕円曲線の場合は、クロネッカーの青春の夢(Kronecker Jugendtraum)は、クロネッカーの提唱したプログラムであり、CMタイプの楕円曲線を使い虚二次体の明確な類体論を構成する。1の冪根を拡張するような方法で、有理数体を拡張を可能とする方法である。これを一般化するが、しかし、ある意味では明確な情報が不足している(複素多変数の典型の場合のように)。
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