船乗りシンドバードの物語の第七話 そしてこれは第七の最後の航海である
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もう冒険はやめようと思っていたシンドバードだが、教王の求めで、セレンディブ島の王に対する返書と進物を送り届ける役目についた。ぶじに勤めを終えたが、帰り道でまたも災禍にあい、海の怪物に船をまるごと飲み込まれてしまう。例によってひとりだけ逃げのびてある島につくと、落ちていた白檀をつかって筏を組み、川を下りだす。川下は断崖になっていたが、親切な老人に助けられ、筏の材料にしていた白檀を市場で高値で売り抜けた。さらに老人は、自分のむすめと一緒になって財産をうけ継いでくれと申し出、シンドバードはそれを受けて婿となる。やがて老人が死ぬと、莫大な財産が彼と妻のものになった。 しかしこの島の男たちには不思議なことがあり、毎年春になると翼が生えて飛び立ち、町には女子供しか残らなくなるのだ。シンドバードは頼み込んでひとりの男の胴にぶらさがり天の高みにのぼるが、思わずアッラーへの賞賛の言葉を口にすると、男は急降下してシンドバードを急峻な山の頂上に置き去りにする。するとふたりの美しい子供があらわれ、シンドバードに金の杖を渡してひとつの方向を指し示した。指示された方に行ってみると、シンドバードを連れてきた男が、頭まで大蛇に飲み込まれているところである。シンドバードは金の杖をつかって男を助け、神の名を口にしないことを誓って町まで送り届けてもらった。 妻によれば、男たちは悪魔の兄弟であり、ここは不信の町である。シンドバードは妻とともにバクダードへ帰り、これですべての冒険は終わった。最初の冒険から二十七年めのことであった。
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