総評の主張した陰謀説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:34 UTC 版)
事件後、総評は大島藤太郎東洋大学教授を中心とする調査委員会を設けて「暴動や破壊の手口に国鉄の事情に通じていなければ出来ない点が目立つことから、闘争の弾圧を狙った計画的、組織的なものであることが明らかになった」と発表した。主要な根拠としては運転室の配電盤が開けられ低圧回路のスイッチのみ破壊されていたことや翌月の首都圏国電暴動で現業員しか知らない発炎筒の格納場所から発炎筒が持ち出され炊かれたことなどであった。これに対して警察庁警備局の中島参事官は「配電盤や発炎筒も運転席に入ればすぐ目に付き、誰でも手が出せるものと聞いている」ことを根拠に事件は偶発的なものであり、総評から疑問点として指摘された機動隊の現地到着に1時間以上を要した点についても、意図的に遅らせたものではない旨反論を行っている。なお、その後総評も国労も陰謀説を主張することは無かった。 なお、一水会の鈴木邦男は後年、「〈暴動〉のいくつかは僕らが起こした。」と発言している。もっとも、実際は電車の中で「スト反対!」などのスローガンをスプレーしたり、「不法ストに対し立ち上がれ!」「暴動を起こせ!」などと演説しただけであった。しかし、乗客には特に咎められることはなかったが賛同されたわけでもなかったため、「なぜ立ち上がらないのだ!」「お前らは共産主義者の同調者か!」と怒鳴ったという。
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