箕作阮甫とは? わかりやすく解説

みつくり‐げんぽ【箕作阮甫】


箕作阮甫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 05:02 UTC 版)

箕作 阮甫(みつくり げんぽ、寛政11年9月7日1799年10月5日) - 文久3年6月17日1863年8月1日[1])は、日本武士津山藩士、蘭学者である。名は貞一、虔儒。字は痒西、号は紫川、逢谷。
蘭方医を始め、語学、西洋史、兵学、宗教学など広範囲にわたり洋学を修め多方面で活躍[2]江戸幕府が設立した蕃書調所の主席教授を務め、お玉ヶ池種痘所の設立にも尽力し、現在の東京大学の基礎を造った[3]ペリー来航時には米国大統領国書の翻訳を行ったほか、ブリッジマンの『聯邦志略』を日本で初版し、多くの日本人に影響を与え日本の近代化に貢献した[4]。西洋文明を深く学ぶためキリスト教にも関心を持ち、キリシタン禁制の時代に旧約聖書を訳した『讀旧約全書』を著した[5][6]


注釈

  1. ^ 箕作阮甫が初版した1861年版の『聯邦志略』は、江戸幕府の検閲によってキリスト教に関する記述箇所が削除・改変されている[4]

出典

  1. ^ 箕作阮甫』 - コトバンク
  2. ^ a b 岡山県 『お玉ヶ池種痘所跡』
  3. ^ a b c 津山市 歴史・文化 『東京大学の創立に関わった津山人 箕作阮甫(みつくり・げんぽ)』
  4. ^ a b c 坂本 恵子「『聯邦志略』を読む」『新島研究』第110号、同志社大学同志社社史資料センター、2019年2月、120-143頁、ISSN 02875020 
  5. ^ a b 中村聡、谷本亮、市川直子、渡辺洋司「江戸後期より明治初期に至る科学の進歩と科学教育の研究」『玉川大学学術研究所紀要』第21号、玉川大学学術研究所、2016年3月、19-28頁、ISSN 1341-8645 
  6. ^ a b 国立国会図書館憲政資料室 『箕作阮甫・麟祥関係文書(寄託)目録』 2021年4月
  7. ^ 早稲田大学百年史 第一巻 第一編 序説 東京専門学校創立前史 『第八章 大庭雪斎の教えた蘭学』
  8. ^ 京都外国語大学附属図書館 世界の美本ギャラリー 『大庭雪斎訳「訳和蘭文語」』
  9. ^ 森下辰衛公式サイト 向こう岸へ渡ろう『箕作阮甫と城下町津山』 2020年10月14日
  10. ^ 津山衆楽ライオンズクラブ・会計のブログ 津山津山衆楽LC通常例会『津山衆楽LCの学習例で洋学者・箕作阮甫の活躍を下山純正津山洋学資料館長に講演して頂きました』 2009年10月08日
  11. ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.27


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