符号が反対の2つの値の略記法としての用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 06:36 UTC 版)
「プラスマイナス記号」の記事における「符号が反対の2つの値の略記法としての用法」の解説
± には、数学の方程式で、たとえば1つの公式で2つの等式を表すための略記法としての用法が見られることがある。最も有名な例に二次方程式の解の公式がある: もし ax2 + bx + c = 0 (a ≠ 0) ならば、 x = − b ± b 2 − 4 a c 2 a . {\displaystyle \displaystyle x={\frac {-b\pm {\sqrt {b^{2}-4ac}}}{2a}}.} 省略せずに書くと、これは方程式に2つの解があると述べている。すなわち x = − b + b 2 − 4 a c 2 a {\displaystyle \displaystyle x={\frac {-b+{\sqrt {b^{2}-4ac}}}{2a}}} および x = − b − b 2 − 4 a c 2 a {\displaystyle \displaystyle x={\frac {-b-{\sqrt {b^{2}-4ac}}}{2a}}} 他の例が三角恒等式に見られる。 sin (x ± y) = sin x cos y ± cos x sin y これは2つの等式を略したものである。1つは等式の両側を + にしたものであり、1つは両側を − にしたものである。 正弦関数のテイラー展開の公式では、この表現のやや異なった用法が見られる: sin x = x − x 3 3 ! + x 5 5 ! − x 7 7 ! + ⋯ ± 1 ( 2 n + 1 ) ! x 2 n + 1 + ⋯ {\displaystyle \sin x=x-{\frac {x^{3}}{3!}}+{\frac {x^{5}}{5!}}-{\frac {x^{7}}{7!}}+\dots \pm {\frac {1}{(2n+1)!}}x^{2n+1}+\cdots } これはやや濫用ぎみの記法だが、(0から数えて)偶数番目の n の項は加算されるが、奇数番目の項は減算されるというように項の符号が交互に現れることを示している。この場合、量 (− 1)n(n が偶数のときは + 1 を、n が奇数のときは − 1 を与える)を使えば、より曖昧さの少ない表現になる。
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