神話解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/07 17:51 UTC 版)
「イアソン (ギュスターヴ・モロー)」の記事における「神話解釈」の解説
モローの絵画はメデイアがイアソンを自身の強い影響下に置いていることを暗示している。この点で特に重要なのは同年に発表された『若者と死』との共通性である。テオドール・シャセリオーの死の寓意である『若者と死』では、若者の背後に死を象徴する女性像を描くことで、若者が逃れられない死に支配されていることを表現している。本作品に描かれたイアソンも状況は同じであり、実際に帰国を果たしたイアソンは、後にメデイアの愛を裏切ったために、彼女に殺されるという運命が待っている。モローはイアソンの背後に魔女としての魔性を秘めたメデイアを描くことで、その後の彼の運命をも暗示している。ギュスターヴ・モロー美術館に所蔵されている準備素描(Des.1754)では、背後に立つメデイアはイアソンの腕の下から顎に手を伸ばして頬を寄せており、タブロー以上にメデイアの影響力が強調されている。また別の素描(Des.1755)では、メデイアは後方の離れた場所に座ってイアソンを見つめている。この2つの素描はメデイアの表現に関してそれぞれ異なる構想を示しており、モローはそれらを1つに融合して描いている。
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