睡眠のタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:11 UTC 版)
20世紀になり、ヒトの睡眠は、脳波と眼球運動のパターンで分類できることが知られるようになった。急速眼球運動 (Rapid Eye Movement) を伴う睡眠をレム睡眠 (Rapid eye movement sleep、REM sleep)、ステージI - IVのように急速眼球運動を伴わない睡眠をまとめてノンレム睡眠 (Non-rapid eye movement sleep、Non-REM sleep)と呼ぶ。 ステージI(N1) 傾眠状態。脳波上、覚醒時にみられたα波が減少し、低振幅の電位が見られる。 ステージII(N2) 脳波上、睡眠紡錘 (sleep spindle) が見られる。 ステージIII(N3) 低周波のδ波が増える(20% - 50%)。 ステージIV(N4) δ波が50%以上。 レム睡眠(REM) 急速眼球運動 (Rapid Eye Movement) の見られるレム睡眠の脳波は、比較的早いθ波が主体となる。この期間に覚醒した場合、夢の内容を覚えていることが多い。レム睡眠中の脳活動は覚醒時と似ており、エネルギー消費率も覚醒時とほぼ同等である。急速眼球運動だけが起こるのは、目筋以外を制御する運動ニューロンの働きが抑制されているためである。全睡眠の20-25%を占める。 成人はステージI - REMの間を睡眠中反復し、周期は90-110分程度である。 入眠やステージI - IVとレム睡眠間の移行を司る特別なニューロン群が存在する。入眠時には前脳基部(腹外側視索前野)に存在する入眠ニューロンが活性化する。レム睡眠移行時には脳幹に位置するコリン作動性のレム入眠ニューロンが活動する。覚醒状態では脳内の各ニューロンは独立して活動しているが、ステージI - IVでは隣接するニューロンが低周波で同期して活動する。
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