生産労働と再生産労働
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 07:41 UTC 版)
「マルクス主義フェミニズム」の記事における「生産労働と再生産労働」の解説
資本主義において、二種類の労働が存在している。この二つの違いをマーガレット・ベンストンとペギー・モートンといったマルクス主義フェミニストは強調する。ひとつめは生産労働で、働いた分だけ、資本主義において金銭的な価値をもちそのため賃金という形で生産者が補償してくれる財やサービスが得られる。ふたつめは再生産労働で、私的な領域に関わってくるものであり、賃金を得るという目的でなくとも自分達のためにやらねばならないあらゆるもの(掃除、料理、子育てなど)を含む。どちらの労働も必要なものだが、人々は自分達のアイデンティティのある特定の特徴をもとにそれぞれの労働の形式にありつく。女性は、労働が再生産的でそれゆえ資本主義においては補償されず認知されない私的な領域に割り当てられる。公的機関にとっても私企業にとっても、労働力を維持するための安価な手段として女性労働者を搾取することは最も利益につながる。このことは、生産者にとっては利益が上がることを意味する。核家族にとっては、家事は家の中の女性が全面的にこなして他の家族が必要な自身の再生産労働から解放されるようにしなければならない、とパワーダイナミクスが指示しているようである。 マルクス主義フェミニストは、生産労働から女性を排除することで私的にも公的にも男性の支配が強くなる、と論じている。
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